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《「あれは誰?」「軍用地主の息子よ」で大爆笑》沖縄『お笑い米軍基地』コント集団の挑戦、悲しい歴史もそこにある矛盾も「コントなんだ」

NEWSポストセブン / 2024年8月1日 16時15分

 軍用地主とは、米軍や自衛隊に基地のための土地を貸している人たちのことである。

 太平洋戦争中、アメリカに占領された沖縄は、戦後も多くの土地を米軍基地として接収されたままだ。そのうちの一部は民間の土地だったため、日本政府は、その地主たちに今も賃貸料を支払い続けている。

 沖縄の新聞には日常的に「軍用地買います」等の不動産会社の広告が掲載されている。軍用地は借主が「日本国」ゆえ、滞納や未払いのリスクがなく、近年は資産運用の投資先としても注目されているのだ。

 ただ、それだけに県民感情は決して穏やかなものではない。忌み嫌うべき米軍基地の存続に手を貸し、しかも、そのことによって大金を得ている人たち。それが沖縄県民の抱く軍用地主の一般的なイメージだ。つまり、嫉妬の対象である。

 軍用地主は、その身分を明かすことはほとんどない。嘉手納基地や普天間基地など主要な米軍基地が集中する沖縄中部の人たちは人間関係がこじれるのを恐れ、そもそも米軍基地の話題を口にすることさえないという。「軍用地主の息子よ」のセリフで笑ってしまうのは、普段は口にできないけれども、自分の中に巣食うそんな嫉妬心に気づかされるからでもある。

 じつはソファーで寝そべっていた芸人、モコモコもとしはリアルな軍用地主の息子でもある。

「僕の家が軍用地を持っているのを知ったのは高校生のときです。あるとき、おじー(祖父)が教えてくれたんです。今にして思うと、小さい頃からおじーがよくお小遣いをくれたりしていて、周りの人よりは暮らしに余裕がありました」

 お笑い米軍基地は沖縄人の共感を得るために、便宜上、コントの中では米軍基地反対の立場に立つことが多い。ただ、もとしは「僕は米軍基地がなくなったら困るんです」という。

「だから、まーちゃんさん(小波津)に聞いたことがあるんです。自分のような人間が舞台に立っててもいいんですか、って。そうしたら『おれの舞台は基地反対でも賛成でもないよ。お笑いだよ』って。それを聞いてすごい楽になりましたね」

 とはいえ、もとしは自分の家がどれだけ軍用地を持っていて、毎年、どれだけの賃貸料を得ているのかはまったく知らないのだという。

「両親はそんなものはない、って言ってます。僕を油断させたくないのだと思います。僕は実家暮らしなのですが、バイトもしているし、最低限のお金は自分で稼ぐようにしています。あの役をもらったとき、親のことはちょっとだけ気になりました。でも、父親は『おもしろかったよ』と言ってくれましたね」

「お笑いって、懐が深いじゃないですか」

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