荒木大輔氏が振り返る“大ちゃんフィーバー”「通学時は体格のいい同級生がぼくを囲み…」、特別な存在“甲子園”への思い
NEWSポストセブン / 2024年8月3日 7時15分
これまで何人もの伝説のヒーローが生み出されてきた甲子園。平成の時代にも「ハンカチ王子(斎藤佑樹)」など多くの甲子園アイドルが誕生したが、昭和には甲子園の歴史に名を刻むレジェンドがいる──。
早稲田実業(当時は東東京代表)の投手として、1980年の夏の大会で初めて甲子園の土を踏んだのが荒木大輔(60才)だ。1回戦の北陽(大阪)戦で見せた、1年生ピッチャーの端正な顔立ちと巧みなピッチングに、マスコミは色めき立ち、世の女性はときめいた。
荒木はこの試合を含め5試合に先発し4完封。迎えた決勝では、愛甲猛を擁する横浜(神奈川)に4対6で敗れるも、女子中高生が宿舎や練習場に連日押し寄せ、8年連続で新生児(男児)の名前ランキング1位が「大輔」になるなど、空前の「大ちゃんフィーバー」が巻き起こった。
「ファンに追いかけられるので、通学時は体格のいい同級生がぼくを囲み、近寄れない状況を作ってくれました。当時は男子校でしたが、学ラン姿の女子が学内に侵入する珍事も起きました」と荒木(以下「」内同)は懐かしそうに笑う。
そんな社会現象のど真ん中にいた荒木だが、その後もブレることなく春夏通算5回の甲子園出場を果たす。
「常に自分がどう勝ちに貢献できるかを考えながら投げていました。それが通用しなかったのが3年生夏の大会、準々決勝で対戦した池田(徳島)です。彼らのウエイトトレーニングで鍛え上げた体の大きさに圧倒されました」
20安打と“やまびこ打線”が炸裂し、結果は2対14。荒木の“甲子園”が終わった。その年のドラフトでヤクルトに1位指名され、入団後も人気は衰えなかった。
「甲子園は野球少年が目標とする地。プロ野球選手同士でも話題は尽きません。そんな熱い思いの詰まった球場はほかにない。特別な存在です」
【プロフィール】
荒木大輔/野球解説者、野球評論家。甲子園では5季連続、17試合を戦った。1982年のドラフト1位でヤクルトに入団。YouTube「荒木大輔チャンネル」も好評。
※女性セブン2024年8月8・15日号
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