巨人と阪神を悩ませる「正捕手が定まらない」問題 球界捕手OBたちが分析「阪神は2人が切磋琢磨していい方向に働いている」「巨人は小林が鍵を握る」
NEWSポストセブン / 2024年8月8日 16時15分
相対的に投手の力が増している時代にあって、巨人と阪神の正捕手問題は今後どうあるべきか。達川氏はこう言う。
「阪神の岡田監督は以前はなぜか梅野のほうを使いたがったが、今は2人が切磋琢磨していい方向に働いている。これを続けていくのがいいのではないか。
巨人は菅野と小林を組ませたのが阿部監督の名采配ですが、問題は大城。リードもいいし、肩も強いが、足首や股関節が硬いから構えが高くて投手の印象がよくない。少しずつ岸田をメインにしていって、大城は一塁手で起用していくかたちがいいのでしょう」
今シーズンの巨人の“スガコバ”のようなバッテリーのかたちを往時に経験しているのが、1960年代の阪神で江夏豊氏の“専属捕手”を務めた辻恭彦氏だ。その辻氏はこう語った。
「巨人の小林を見ていて、ボクと似ているなと思いましたね。高卒ルーキーで入団してきた江夏と組んでいた時は、言葉にしなくてもその場でお互いの考えが理解できるようになって、こういうケースではこの球から入るといった考えが共有できていた。そうなるとどんどん勝てる。菅野と小林にもその阿吽の呼吸が芽生えつつあります。阪神のバッテリーは、そのあたりがまだピンとこない。岡田監督は投手との相性もさることながら、状態のいいほう、勝ち運を持ったキャッチャーを出場させる采配で勝負しようとしているのでしょう。
巨人はやはり小林がカギを握ります。小林が菅野の投球術などを若いピッチャーにうまく伝え、投手陣の底上げができるかどうか。小林が直接ボールを受けなくても、ブルペンで若手に“あの場面でなぜ菅野が打たれなかったか”といった話をするだけで、チームにとっては少しずつプラスになる。小林はボクより人が好さそうだし(苦笑)、阿部監督はそこをうまく使ってチームを底上げしてもらいたいですね」
攻守に秀でた絶対的な正捕手がいない現有戦力で戦いを続ける両監督だが、ペナントを制すためにできる工夫はまだまだありそうだ。
※週刊ポスト2024年8月16・23日号
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