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佐藤愛子さんがこよなく愛する北海道浦河町で『九十歳。何がめでたい』が上映 笑顔で溢れる48席の映画館「大黒座」

NEWSポストセブン / 2024年8月12日 11時15分

 7月21日朝10時からの初回には28人が席を埋めた。ご夫婦や子連れ、単身のかた……次々に館内へ入って行く顔はみんな笑顔だ。

「この2週間でいらっしゃったお客さんの数よりも多いです。家族みんなで行って満杯になると困るから、夫は夕方の回に行くねっておひとりでいらっしゃったかたもいました。映画の中で犬のハチ(原作ではハナ)と出会うシーンは浦河ですよね。エンドロールでも先生が犬を抱いて太平洋をバックに別荘で撮った写真が映っていて、感慨深かったです」(三上さん)

《今年(2015年・編集部注)の六月、ハナが死んだ。/ハナは十四年前、北海道の私の別荘の玄関の前に捨てられていたメス犬だ。生れて二、三か月というところか、両の手のひらに乗っかるくらいの大きさだった。夜が白々と明ける頃、クークーキャンキャンと啼く声に家中が目を覚ましたのだった》(『増補版 九十歳。何がめでたい』より)

浦河を気にかけてくれるのがうれしい

 初回の上映を観たお客さんの中には「佐藤さんとの付き合いは40年以上」という人も。浦河町立図書館元館長の小野寺信子さんだ。

「映画のことは響子さんから昨年の12月頃でしたか、いま映画を撮っているんだよと伺っていましたから今日は観られてうれしかったです。映画ですか? とても面白かったですよ。でも、映画の中の佐藤さんは、実際の佐藤さんとはかなり違いましたね(笑い)。

 図書館ができたのが1969年なのですが、私は先生に図書館創立10周年記念の講演をお願いに行ったのがきっかけで親しくお付き合いさせていただくようになりました。先生の用心棒として、いつも響子さんなどご家族か編集者のかたが東京から一緒に来て泊まっていたのですが、誰もいないときに私が用心棒がわりを務めるようになって。別荘に泊まったときには夜、先生の作ったお料理をいただきながら面白いお話をたくさん伺って、本当にいろんなことを教わりました」

 大黒座と目の鼻の先にある図書館にも映画の巨大なポスターが貼られ期待の高さがうかがえる。佐藤さんの数々の著作とともに映画『九十歳。何がめでたい』の決定稿の脚本も飾られていた。すべて佐藤さんから寄贈されたものだという。

「こうやって先生がいまでも浦河のことを気にかけてくださるのがうれしいです。先生が親しく付き合ってこられた浦河の漁師のかたもほとんど亡くなりましたからね。先生も寂しいと思いますが、また浦河に戻ってきてもらいたいですね」

草笛光子さんのメッセージ

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