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フワちゃんの不適切投稿 いじめ被害者たちが訴える「ノリ」でも「ネタ」でも済まない”言葉の刃”「いじめの典型的なやつですよ」

NEWSポストセブン / 2024年8月10日 16時15分

「それは特殊、と思うかもしれないが、本当に人の心が欠落した教員は普通にいる。いじめる側がそうであるように、教員にもそういう人はいる。個別の問題かもしれないが、同じ教員として『それは特殊』とは思いたくないし、それで片づけたくはない。それでは生徒を救えない」

 現役の教員として、大人かつ有名人の話だが今回のフワちゃんの件はどう思うか。

「テレビの影響とかネット文化とか簡単に括りたくはないが、人としてどうかと思う。多くはそう思うだろう。『ください』を『くださーい』にしたからなんだというのか」

 また彼は引っかかる部分があると語る。フワちゃんのラジオ休止を知らせるポストだという。

〈私自身の投稿で、ご本人はもちろん、投稿を見た方々を深く傷付けてしまったことを心から後悔しています。


本当に申し訳ありませんでした。〉

「これ、どうにも『後悔』が引っかかる。後悔は自分ごとだろう」

 あくまで彼の感想ではあるが現役のベテランだからこその引っかかりがあるのだろう。

ノリでいじってネタで済ませてきたのか

 冒頭の男性会社員はこう語る。

「私は中学時代、いじめに耐えて勉強しました。県で最上位の高校に行けばこんなことはないって。実際に合格しましたが、あの中学とはまったく違う世界でした。きちんと言葉が通じて、それぞれが互いを尊重して、合う合わないがあってもそれは不用意に接触しないとか、あたりまえのことができる集団でした。母校にも誇りを持っていました」

 それでも、もし勉強ができず、地域の高校に行っていたらと思うと恐怖だと話す。

「幸い受験はうまくいきましたが、勉強が不得意であの中学のいじめ集団が入るような地元の高校に行っていたらどうなっていただろうと思うとゾッとします。どんな階層でもいじめはあるのでしょうが、治安という点で偏差値の高い学校のほうが安全であることは確かです。荒れた中学や高校よりマシは事実ですよ」

 彼は幸いにして逃れることができたが、逃れられずに命を絶った子どもたちも大勢いる。いまもいじめにあっている子どもたちもまた無数にいる。日常的にひどい言葉をリアルで、ネットで言われ続けている。

 それをフワちゃんほどの著名なタレントが公然と「死んでくださ―い」では、世間の理解は得られないだろう。ノリでイジってネタ、公の場でそれをすればどうなるか、フワちゃんはわからなかったのか。取り巻きもまた、フワちゃんの日常のこうした行動や言動をノリでイジってネタで済ましてきたのか。

 こうした事例に繰り返し書くが、思考は言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣になり、習慣は性格になり、そして性格が運命になる――やはりこの言葉、そのままの事例のように思う。

 フワちゃんの言葉。これは決して、人に向けてはならない刃だった。

日野百草(ひの・ひゃくそう)/日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経て、社会問題や社会倫理のルポルタージュを手掛ける。

主な相談窓口

・いのちの電話(一般社団法人 日本いのちの電話連盟)

ナビダイヤル:0570-783-556
午前10時~午後10時

フリーダイヤル:0120-783-556
毎日午後4時~同9時
毎月10日:午前8時~翌日午前8時

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