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【レジェンドOBのプロ野球再生案】権藤博氏はCSに怒り「馬鹿げていますよ、どう見ても納得できない。こんな制度を作って恥ずかしくないのか」

NEWSポストセブン / 2024年8月19日 11時15分

 私たちがやっていた頃は、優勝しなければ2位も6位も一緒でした。それが3球団も喜ぶということになる。喜ぶファンは増えるだろうが、“3位に入ればどうにかなる”という仕組みが、ペナントレースの戦いにまで影響を与えていることが問題なんです。

 シーズン終盤になれば、1位、2位に引き離されたチームが3位狙いの戦い方をするようになる。エース級は上位球団との対戦を回避し、下位球団に当てる。優勝争いそっちのけで下位球団が3位争いをする。3位に入ればいいというルールなんだから、そういう戦いになる。結果、下位チームが優勝争いをかき混ぜるようなことがなくなってしまった。

こんな制度を作って恥ずかしくないのか

 でも、このCSはなくならないと思います。優勝するチーム以外は嬉しいもの。もう各球団はやめられないですよ。

 昔は優勝できなければ、2位のチームでもV逸の責任を取らされたものだが、半分のチームがなんとなく責任を取らなくて済む。3位と4位がえらい違いになるというだけで、1位も3位も変わらんわけです。3位以内を期待するファンが球場に来るから球団も増収が見込める。経営者もおいしい。

 でも、プロとしてお金をもらって優勝を目指してやっているわけです。フロントが戦力を集め、監督は預かった戦力で優勝を目指し、選手も頑張る。それが最後まで優勝を目指さないならプロ失格じゃないですか。

 制度を改めるにはファンの声しかないですが、2位、3位のチームのファンがCSを喜ぶからなくならない。(1位のチームに)1勝のアドバンテージを付けても何の意味もない。ハンデをつけるなら10ゲーム離れたら10勝のアドバンテージを出さないといけない。でも、それだと4勝すればいいというCSは成り立たないわけです。そんなバカげた試合をやっているということ。

 こんな制度を作って恥ずかしくないのかと思うが、みんな思っていないわけです。楽なほうに流れるんですよ。優勝しなくても、とにかく3位に入ればいいんだからね。“秋にどんなドラマが起きるか”などと言っているが、悪いけどこんなのはドラマとはいわないんですよ。

(第2回へ続く)

【プロフィール】
権藤博(ごんどう・ひろし)/1938年、佐賀県生まれ。1961年に中日に入団。ルーキーイヤーから「権藤、権藤、雨、権藤」といわれるほどの連投を見せた。1年目は69試合にして35勝19敗、310奪三振、防御率1.70で新人王、最多勝、最優秀防御率を獲得。新人ながら沢村賞にも輝いた。2年目も登板61試合、30勝17敗で2年連続最多勝を獲得した。3年目は右肩痛により成績が急落。それでも45試合に登板し、10勝12敗で220.2イニングを投げ、88奪三振、防御率1.29だった。監督としては横浜を率いて1998年に日本一に輝いている。

※週刊ポスト2024年8月30日・9月6日号

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