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PL学園の現在 硬式野球部に続き軟式も今夏に休部、高校の入学者はわずか9人 教団名物「花火大会」もなくなり「機関紙」も休刊へ もはや「風前の灯火」

NEWSポストセブン / 2024年8月22日 16時15分

 たとえば、聖地内にあった遊園地の「PLランド」だ。1957年に開業した遊園地も、1989年には閉鎖に。また1974年に開校したPL短大は2000年に廃校となった。

 また大阪における夏の風物詩で、かつては12万発も打ち上げたPL花火大会(正式名称を教祖祭PL花火芸術という)もコロナ禍前の2019年を最後に開催されていない。

 近鉄喜志駅と富田林駅にまたがる広大な聖地にかつては1万本の桜が植えられており、春には聖地を桃色に染めていた。しかし、その桜の木も伐採が進んだ。その理由は信者に知らされていない。さらに、聖地内の池や谷が残土で埋められていることにも信者は心を痛めている。信者が心のより所にする聖地が、産業廃棄物という不浄なもので埋められていくのだ。支持を得られるはずがない。2代教祖の時代から信仰する信者が話す。

「教団の運営が行き詰まっているからこそ、聖地を産業廃棄物で埋めて運営費に充てていると思われます。花火大会の中止も、表向きはコロナ禍が理由でしたが、もはや花火大会を開催する余裕すらなく、花火大会を中止にする口実としてコロナ禍は渡りに舟だったでしょう」

 教団では2020年12月に3代教祖であった御木貴日止氏が63歳の若さで死去し、以降は教祖不在という、リーダー不在の状況が続いている。PL教における信仰の対象は宇宙全体を指す「大現霊(みおやおおかみ、だいげんれい)」という神だが、その代理として現世にいるはずの教祖なくして、宗教団体としての存在意義などあるのだろうか。2代教祖の娘にあたる人物が、教団内の実権を握る3代教祖夫人・美智代氏の退陣を迫るような動きもあるとはいえ、お家騒動が続く状況に信者の心は完全に離れている。

“機関紙”の発行も停止!?

 そして、教団の機関紙である「芸生新聞」も年内をもって休刊になるということが新日本宗教団体連合で噂になっているという。教団としての活動を信者に報告する機関紙を止めるということは、もはや宗教団体としての活動を続けるつもりもないということではないか。そこで、芸生新聞を発行する芸術生活社に連絡を入れた。

「まだ正式に決まったことではないので、返事はしかねなるんですが……そういうことも検討しているというような感じでございます。(休刊の時期は)来年度以降だと思います」

 担当者によると、芸生新聞は昭和37年の創刊で、現在の公称部数は10万部だという。しかし、10年ほど前に筆者が芸生新聞に携わっていた人物を取材した時でさえ、既に発行部数は7万部程度だったと証言していたことから、教会の統廃合などが進んだ現在はもっと少ないと予想される。休刊も、やはり美智代未亡人の意向なのだろうか。

「お答えしかねます。われわれは粛々と発行を続けていくだけであります」

 教祖は不在。機関紙は休刊。国民に愛された野球部も花火大会ももう存在しない。PLの灯が間もなく消えようとしている。

■取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)

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