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《都内私立中学で自慰行為強要いじめ》被害生徒の癒えない“別室指導”の心の傷「涙が止まらずPTSDと診断」母親が見つけた遺書

NEWSポストセブン / 2024年9月2日 11時14分

 そして2024年5月、Aくん一家のもとに1通の封書が届いた。差出人は、「宝仙学園中学校・高等学校」。校長の署名のもと、“2023年12月下旬頃、Aくんの修学旅行中の行為が撮影された件及び撮影内容が一部生徒に送信された件について、東京都私学部からいじめ防止対策推進法の重大事項に当たるとして報告を求められ、その報告を行った”と伝えられた。具体的にどのような報告をしたのかは説明されておらず、「ご不明な点等ございましたら、直接、面談してご説明いたしますので、ご遠慮なくご連絡頂ければと存じます」としている。

 ただ、Aくん一家に学校関係者と直接やり取りする気力はもう残っていなかった。6月中旬、今度は東京都私学部に提出したという調査結果報告書が学校側から届いた。Aくんの母が語る。

「2023年12月、息子は一連のトラブルについて東京都生活文化局・私学部私学行政課に再度連絡しており、それを受けて、私学部が学校に働きかけたようです。第三者に開示しないように学校側に言われているので、詳細は明かせませんが、“東京都私学部から指摘を受けて、再検討した結果、いじめの疑いがある重大事態として同私学部に報告するに至った。当学園として認識が甘かった”というような内容ではありました。

 ただ、“再検討した結果”といいますが、その中で息子本人に一度も聞き取りがなかったことが引っかかっています。また、生徒間のやり取りには触れていても、息子(A)を一番追い詰めた別室指導については記載がなく、誠意を感じられません」(Aくんの母)

 加害生徒ではなく被害生徒のAくんだけが外部進学することになった背景。どういった経緯で別室指導が行われたのか、どのように再発防止に向けた取り組みをしていくのか。一連のトラブルについて、「宝仙学園 順天堂大学系属理数インター中学校」に問い合わせると、以下のように回答があった。

「まず、本件質問状の【質問】に記載された各事項につきましては、Aくんをはじめ当学園の生徒の個人情報に係る内容であるため、回答を差し控えます。

 本件質問状の【質問】において前提とされている内容は、当学園が把握、認識している事実とは異なるもの、或いは、そもそも、当学園が認識、把握していないものが含まれますが、当学園は、修学旅行における動画の撮影及び送信行為につき、然るべき調査を行い、警察からの要請にも全面的に協力したうえ、いじめ防止対策推進法第31条第1項に基づき、東京都私学部に対し、動画の送信行為につき、重大事態が発生した旨等を報告しました。

 なお、上記のとおり、個人情報に係る事項であるため、当学園から、貴殿に対し、その報告内容の詳細を明らかにすることは差し控えます」

 Aくん一家に対しては、「ご意向を踏まえ、誠意をもって対応していく所存です」とのこと。また、再発防止策については、「教員への研修及び生徒に対するSNSの利用についての啓発等の支援指導等を実施しており、今後も一層務めて参ります」とした。

 Aくんは現在も通院を続けている。事態が納得のいく解決を迎え、彼が心の底からの笑顔を取り戻す日が来ることを祈る。

(了。前編を読む)

 

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