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ちょい乗り需要増で人気の電動キックボード 深夜の繁華街では飲酒運転が横行「うるせえ!」「酔い覚ましにちょうどいい」と開き直る利用者も

NEWSポストセブン / 2024年8月27日 16時15分

 間髪入れずにやってきたのは、やはり飲み帰りと思われるYシャツ姿の若い男性二人組。カメラを片手に声をかけたところ、やはり電動キックボードの飲酒運転で帰宅しようと考えていたようで、観念したようにこぼし始めた。

「いやあ……正直、終電後の飲み帰りにちょうどいいんですよね。タクシーだと3000円以上かかりますし、この時間だと並んで何十分も待たなきゃいけない。カメラで撮ってましたよね? 僕らが乗ったら、その写真使うんでしょ? だったら乗らないですよ、乗りませんよ」(Yシャツ姿の男性)

 この酔った男性二人組は、筆者がカメラを持っていたことから「撮影された」と勘違いし、レンタルを諦めたようだ。だが、他の酔客は違った。筆者が飲酒運転をとがめようとしても「お前警察か?」「ダルい」「あっちいけ」と怒鳴られたり、あとはほとんどが無視を決め込む。中には「酔い覚ましにちょうどいいんだよバカ」ど吐き捨てていく若い男性もいた。

 ステーションの目の前にある居酒屋の従業員は、この時間帯の電動キックボードの利用者の多くは酔っ払い客だ、と声を潜めて打ち明ける。

「終電後の利用者はほとんど酔っ払いだね。ひどい場合には、ステーションまでやってきて吐いて寝ちゃったりとか、利用しようとしたけど酔っててワケわかんなくなってキックボードを投げ壊したりとか。街中で取り締まりをやってるけど、夜のステーション前でやれば、もっと検挙されるでしょ。うちの店のお客さんがひかれそうになったりしたこともあったし、俺は使いたくないですね、危ないし迷惑」(居酒屋店員)

 筆者は、渋谷駅周辺を朝4時頃まで見回ったが、どこのステーションにも酔客が現れては、乗車してフラフラとどこかへ消えていく。ステーションに車両があっても、充電残量がなかったり不調だったりして利用できない、といったパターンに遭遇してしまい、舌打ちをして後にしていく人たちのようだ。始発が動き出す頃には、主要なステーションからほとんどの電動キックボードは消えていた。それだけ深夜の利用者が多いのだろう。

 同様の観察を新宿・歌舞伎町、六本木、新橋でも行ったが、程度はあれど、どこも電動キックボードを取り巻く実情は似たようなものだった。日中の違法な走行も目立つが、深夜の利用者の飲酒運転率の高さは、相当なものだと思われる。複数のレンタル電動キックボード事業者に取材をした大手紙社会部記者は「事業者側の対応が全く追いついていない」と苦言を呈す。

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