1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

体調崩した兄・田村正和さんが病室で残した“唯一の助言”、田村亮「70代にとっては1年が貴重で惜しい時間」の現在

NEWSポストセブン / 2024年10月14日 10時59分

 その後もいろんな作品に出させていただき、1984年に放送された時代劇の連続ドラマ『乾いて候』(フジテレビ系)では、兄弟3人で共演しました。3人で顔を合わせてにらみ合うシーンなんかがあって、照れくさくてしょうがなかったですよ(笑)! 高廣兄貴や正和兄貴には「我慢してやれよ!」なんて言われながらがんばりましたけどね。

 1990年の『勝海舟』(フジテレビ系)でも3人で出演しましたが、主役の正和兄貴が途中で体調を崩してしまったので、僕が代わって勝海舟役を演じました。正和兄貴を病室に見舞ったときは、「現代劇のつもりでやったほうがいいよ」とアドバイスをくれました。

 ドラマも映画も舞台も、どれも面白いし、こだわらずに出演してきました。あえていえば、正式デビューが東宝映画の『暴れ豪右衛門』だったから、根底には映画があるのかもしれません。


俳優の色としては、高廣兄貴は実直、正和兄貴はニヒルなんて言われますが、僕はどうなんでしょうか。真面目でカタい役が多かったかもしれません。実は、僕はそれがつらかった。素顔の僕は真面目ではありますが、人を笑わせるのが好きだったりもして、そんなに堅苦しい人間ではなく、気難しくもないもんですから。

 その点、僕のひょうきんな部分を引き出して、長く演じさせてもらったのが、山村美紗サスペンス『狩矢父娘シリーズ』(テレビ朝日系)ですね。演じていて、楽しかったですよ。藤谷美紀ちゃんが主演で、僕は彼女のお父さん役。娘に、原田龍二君が演じる恋人と「いつ結婚するんだ」とやきもきする、というのがお決まりのパターンで、2000年から2020年まで続きました。ところが、なぜか突然打ち切りに。結局、娘が恋人と結婚するかどうかは描かれず終いでした。

役者でも、サラリーマンでも「結局はがんばった者が勝つ」

 思いがけず役者になって、今、その半生を振り返ってどう思うか、とよく聞かれるのですが、わかりません。だって、ほかの仕事をしたことがないから。比べられません。ただ、どんな仕事に就いたとしても、浮き沈みがあり、良いこともあれば悪いこともある。きっと似たりよったりじゃないか、と思うんですよね。役者でもサラリーマンでも、結局はがんばった者が勝ちなんじゃないかな。まあ、僕はちょっとがんばりが足りなかった(笑)。

 4年前にコロナが大流行して、俳優の仕事ができなくなってしまったときはつらかった。僕ら70代の者にとっては、1年1年が貴重で惜しいですから、1年できなくなる、というのは重いことでした。

 こういうと“演技が命”みたいですが、板の上で死にたい、とは思わないです。死ぬのはどこでもいいのですが、そんなことを考えてちゃいけない、と思います。終活というのも考えない。後ろ向きじゃないですか。死の準備はしちゃいけないですよ。これから始めるつもりで、生きていくために荷物を整理するのはいいと思いますけど。いつまでも健康で家族仲良く、そしていい仕事をしてみなさんに喜んでいただく、というのが僕の願いですね。

(了。第1回から読む)

◆取材・文/中野裕子(ジャーナリスト)撮影/山口比佐夫

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください