香港政府治安担当部門の最高責任者が香港政府批判への取り締まり強化を示唆 「明報」編集長がコラムニストらに暗に自制求め物議
NEWSポストセブン / 2024年9月2日 7時15分
香港政府の治安担当部門の最高責任者、トウ炳強(クリス・タン)香港保安局長が8月中旬、香港紙「明報」関連の討論会で、香港メディアの香港政府批判について、取り締まり強化を示唆する発言を行った。そして、明報編集長が同紙に寄稿するコラムニストらに対して、原稿について、「慎重」かつ「法を遵守する」よう促し、そうでなければ「危機が来るかもしれない」と警告していたことが分かり、物議を呼んでいる。
トウ氏が香港メディアに圧力をかけたと受け取れかねないだけに、「香港の報道の自由が大きく損なわれている」と香港のオンラインメディア「香港01」が報じた。
トウ氏の発言は「『香港政府に対する憎悪を煽る意図はない』というコメントをコラムの下に入れただけでは、出版物が公正で客観的、かつ偏見のないものであることを保証する編集者の責任は果たせません」というものだった。
この討論会の数日後、同紙編集長が同紙のコラムニストに「コラムは正確な事実に基づいていなければならない。法律を遵守し、慎重でなければならない。さもなければ、いつ危機が訪れるかどうかと言うことは難しい」と指摘するメモを送っていたことをコラムニストの1人がSNSで明らかにした。
メモはさらに、「明報が香港の新時代に自らと使命を遂行し、第四の権力の役割を果たすことは、重い責任であり、長い道のりであり、特に注意が必要である。今後、時事問題についてコメントする際には、より慎重になっていただくよう、心からお願いします」などと続けており、過激な香港政府批判を自制するよう暗に求めている。
香港では今年4月、国家の安全を脅かす行為を取り締まる「国家安全条例」が可決・施行されたことを受け,報道の自由が損なわれると国際機関や各国から懸念の声が相次いでいる。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が8月3日発表した2024年の世界各国・地域の報道自由度ランキングで、香港は対象180カ国・地域のうち135位とこれまでで最低だった。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
香港ネットメディア「立場新聞」元編集長2人に有罪判決 報道を「扇動」と初めて認定
産経ニュース / 2024年8月29日 21時36分
-
「扇動的な出版物を発行」香港の民主派系メディアの元編集長らが有罪に
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月29日 20時32分
-
香港メディアの萎縮不可避 立場新聞元編集長ら有罪 記者協会「報道の自由の重大な後退」
産経ニュース / 2024年8月29日 17時25分
-
枝野幸男氏、中国の領空侵犯批判でザワつくX 「北京政府」批判は初めてではなかった
J-CASTニュース / 2024年8月27日 16時35分
-
身内の性犯罪を隠蔽し、告発者を逮捕…戦前よりひどい警察の実態を大マスコミと裁判所はなぜ見逃すのか
プレジデントオンライン / 2024年8月13日 10時15分
ランキング
-
1ハリコフへのミサイル攻撃で47人死亡 ウクライナはロシアに無人機攻撃
ロイター / 2024年9月2日 7時59分
-
2文前大統領が「収賄容疑者」=娘宅の捜索令状に明記―韓国報道
時事通信 / 2024年9月1日 21時2分
-
3ロシア西部ベルゴロド州、ウクライナの砲撃で1人死亡・10数人負傷
ロイター / 2024年9月2日 8時32分
-
4ロシア、22人乗りヘリ墜落確認 カムチャツカ、全員死亡か
共同通信 / 2024年9月1日 21時23分
-
5「韓国はもう耐えられない」若い医者が続々海外へ?=韓国ネット「こっちも海外から輸入を」
Record China / 2024年9月2日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください