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“叱らない名将”広島・新井貴浩監督 「野球のことはコーチにすべて任せる」「自身は選手のフォローと報道陣対応」広島OBが語るチームを勝たせる秘訣

NEWSポストセブン / 2024年9月2日 11時15分

「新井監督はとくにピッチャーがわからないので、菊地原毅、永川勝浩の両投手コーチにすべて任せている。その上で投手陣が崩れて負けてもむやみに責任を追及せず『次は頼むぞ』と発破をかける。両コーチが思い切った指導ができていることが好調の要因でしょう」

 その姿勢は監督の専決事項である「二軍選手の抜擢」でも同様だという。

「他球団の監督は独断で一軍に上げることも多いが、新井監督の場合は二軍首脳陣の推薦を条件としている。そして、一軍に昇格した際は必ずチャンスを与えます。そこで期待に応えて結果を残す選手が多いので一軍と二軍の風通しが良くなっています」(安仁屋氏)

 カープの躍進を支えるのは末包昇大(28)ら昇格組だ。

“ツラいさん”を越えて

 一方で5月には、選手会長で開幕4番を任せた堂林翔太(33)を二軍に落とした。打撃不振が原因と報じられたが、達川氏は内幕をこう明かす。

「堂林は新井監督が現役時代から可愛がっていた選手ですが、守備や走塁で怠慢プレーが目立ったため、二軍に降格させたんです。懲罰人事をしない彼が、怒って選手を二軍に落とした唯一のケース。堂林は二軍で若手に交じって泥だらけでプレーしていました」

 降格から1か月後、堂林は同じ中京大中京出身で育成2位の新人・佐藤啓介(23)とともに一軍に昇格。直後の試合で新井監督は堂林ではなく、佐藤をスタメン起用した。

「誰もが驚きましたが、堂林は腐ることなく、ベンチから身を乗り出して大声でチームを鼓舞した。その姿を見た新井監督は次の試合から堂林を使い始め、堂林も期待に応えて8月に入って成績をグンと伸ばした。“叱らない”を基本としながら、人の使い方も非常に上手いよ」(達川氏)

 ドラフト6位入団の苦労人で、広島から阪神に移籍した際はスタンドから凡退時に“ツラいさん”と呼ばれるなどした経験も、今に繋がっている。スポーツ紙デスクが言う。

「阪神時代の2008年、北京五輪後に疲労骨折が発覚し、当時の岡田彰布監督(66)からV逸の戦犯として名指しで批判された。それを反面教師として選手を絶対に悪く言わないようにして、“信じて任せて、結果はすべて監督が負う”という姿勢で指揮を執っているといいます」

 今季のペナントを制した時、“天然”や“イジられ”が令和の名将の新条件となるのだろうか。

※週刊ポスト2024年9月13日号

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