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今秋終了の『ジョンソン』『オドハラ』“にしたん豪邸企画”で丸かぶり!TV局が抱える切実な事情

NEWSポストセブン / 2024年9月9日 7時15分

 一方、『オドオド×ハラハラ』も佐久間プロデューサーらしいひねりの効いた企画を試したものの視聴率は奮わず、4月に木曜20時台から21時台へ移動。そこで「芸能人自宅横断ウルトラクイズ」という豪邸訪問企画がスタートし、メインコーナーとして放送されていました。

 このようにどちらも今回の“にしたんかぶり”につながる経緯があり、さらに西村社長はハライチがMCを務める『ぽかぽか』のメインゲストとして出演するなど、メディア出演の多い人気経営者。また、「30億円」「完成したばかり」というインパクトも制作サイドが食いつきたくなるポイントでしょう。

 そしてもう1つ重要なのは、サスペンスドラマ風のCMがおなじみであるように、にしたんクリニックを運営するエクスコムグローバルは各局にとって大切なスポンサーであること。西村社長は「戦略的に“出たがり社長”を演じている」というだけに、バラエティへの出演によって各局とウィンウィンの関係性を築けているのでしょう。

「これ以上数字を落とさない」手法

 話を豪邸訪問企画に移すと、昭和時代のころから制作サイドにとって「計算できるもの」とみなされてきました。

 家そのものに加えて家具、車、宝飾品、美術品などがすべてトピックスになり、本人、家族、ペットなどを絡めたトークも可能。たとえば、「誰が家主なのか」「高額品がいくらなのか」を当てるクイズ形式を採用したり、キッチンで料理してリビングで食べるシーンを撮ったりなどが定番になっています。

 制作サイドにしてみれば、用意するものが少ないという労力・費用の面で優しい上に、街ブラのようなリスクがほとんどないのもうれしいところ。トーク力のある芸人などに任せることで笑いも担保できるため、計算が立ちやすいのです。

 さらにもう1つのメリットは、「豪邸訪問企画は中高年層を中心に一定のニーズがあり、視聴率獲得の点で大崩れがない」こと。ただ、家主が高年齢であるケースが多く、まだ家への興味があまりない若年層の視聴が期待しづらいため、コア層(主に13~49歳)の個人視聴率重視になった2020年代は豪邸訪問企画が減っていました。

 その意味で芸人を前面に押し出した両番組の豪邸訪問企画は、「お笑いフリークの支持を失うことになっても、一定の視聴率を獲得したい」という切実さを感じさせるものでした。また、今秋でのレギュラー放送終了が決まった現在では、「これ以上視聴率を落として出演者とスタッフの経歴に傷をつけないように」という配慮も感じさせられます。

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