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元関脇・嘉風の中村親方、角界の慣習にとらわれない部屋運営と指導法 笑い声が飛び交う稽古は週休2日制「親方の威厳で縛らず、信頼で縛りたい」

NEWSポストセブン / 2024年9月14日 7時15分

「心理面で安全性があると傍にいても緊張しない。師弟がこのような関係でなければ悩みを打ち明けたりしないという。コーチ役の師匠に質問もできないようでは力士が強くなれず、相談できる環境を常に作っておきたい」

 夕食後は自由時間となる。酸素カプセルやトレーニング機器を使う力士もいるが、中村部屋では門限がない。弟子の監視が厳しい相撲部屋では異例のことだ。

「消灯は11時と決まっているが、未成年力士以外には門限を作っていない。ただ監督責任のある私に帰宅時間を連絡するルールになっているし、稽古や掃除などに支障をきたすようなら門限を作ると伝えている。親方の威厳で縛らず、信頼で縛りたいのです」

 自主性を尊重する。これが力士にとって一番きついのかもしれない。準備時間を考慮して朝食をご飯からスムージーに変更するなど柔軟に軌道修正もする。中村親方はこう締めくくった。

「試行錯誤を繰り返している段階です。相撲の伝統を守りながら自分の形を作っていきたいが、これまでとやり方が違うため強く育てられないとすべて私の責任。批判もあるだろうが、力士ファーストの部屋を目指すことで多くの関取を育てたい」

 先場所では新十両の嘉陽が関取残留を決め、宮城は5勝2敗で幕下上位へ番付を上げるなど、成果が徐々に表れてきた。

 角界の常識を覆す相撲部屋からどのような力士が誕生するか。中村親方の挑戦が始まった。

取材・文/鵜飼克郎 撮影/太田真三

※週刊ポスト2024年9月20・27日号

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