【「学園祭の女王」の歴史】先駆けは白井貴子や山下久美子 杉本彩、森高千里、千堂あきほ、中條かな子らが台頭し、ブームが去る1990年代後半までを振り返る
NEWSポストセブン / 2024年9月14日 16時15分
学園祭のシーズンがやってくる。かつて激しい学園紛争を繰り広げた場は、1970年に政治の季節がひと区切りついたことで一変した。
「政治に向けた情熱が、学園生活を楽しむ方向にシフトしました。象徴的なのは、1974年に東京大学で『山口百恵を守る会』が結成されたことです」(メディア評論家・宝泉薫氏、以下同)
山口百恵やキャンディーズなどの人気を背景に、学生たちはプロ顔負けのステージを企画し、世間にアピールした。かたや業界側にとっても知名度のある大学との連携は、タレントを売り込む絶好の機会だった。学園祭は両者にとって“ウィン・ウィン”の関係となる場になった。1980年代に入り、白井貴子や山下久美子など女性ロックシンガーが登場したのが「学園祭の女王」の嚆矢だった。
「彼女たちは学園祭でファンを幅広く開拓していく一方、学生は当時高い人気を誇った雑誌『ぴあ』で情報収集し、自分だけの音楽を探し求めていくようになっていきました」
その結果、若者の趣味嗜好が多様化し、1990年代はブレイク前のタレントやアイドル化する前の声優など、時代を先取りするステージが盛んになった。1990年代も後半に入ると、新人歌手が大物プロデューサーと組んでヒットを狙うなど業界の仕組みが激変し、徐々に学園祭から“女王”が姿を消した。
「その後は男女ともに楽しめるお笑い芸人の起用が急増しました。女性の進学率向上に伴う意識の変化もあって、学園祭の在りようも変わってきたのだといえます」
【主な出来事】
1971年:『水色の恋』で歌手デビューしたばかりの天地真理が早大「早稲田祭」に出演
1976年:太田裕美が東大「駒場祭」出演。学生の人気投票で断トツ1位だった
1979年:シンガーソングライターの尾崎亜美が19校、慶應大生の竹内まりやが18校と大人気
1980年:情報誌『ぴあ』が綴じ込み別冊で「秋の学園祭特集」を開始
1981年:デビュー2年目の山下久美子が19校に登場。学園祭で名を上げ、翌年『赤道小町ドキッ』のヒットに繋げる
1983年:『CAT’S EYE』大ヒット中の杏里が中央大など23校に出演。観客の7割が女子大生だったという
1987年:NHK衛星第1テレビが小比類巻かほるの早稲田祭ライブを約20校の学園祭会場に同時中継。この年、小比類巻には200校を超えるオファーがあった
1988年:「東レキャンペーンガール」出身の杉本彩がSMスタイルなどの過激な衣装で、16校に出演
1989年:美脚で人気の田中美奈子が女子大生の「ミニミニ党」を引き連れ、ミニスカートで学園祭を席巻。文化の日には1日10校をハシゴ
1989年:森高千里が21校でライブ。開催校の1つである足利工業大近くの『渡良瀬橋』に魅了され、4年後に同名の曲を制作。のちに足利市駅の発着メロディーに
1990年:18歳人口が21年ぶりに200万人を突破。大学の数は507校と過去最高に。深夜番組『オールナイトフジ』の司会を務めていた千堂あきほが30校を回る
1991年:千堂と同じ事務所で、「桜っ子クラブ」の中條かな子が27校に出演
1992年:過激な衣装でSHIHOが東大「五月祭」に出演。客席に20枚ものパンティーを投げ込む。翌年も登場
2004年:事務所トラブルで活動停滞中の鈴木亜美が4年半ぶりのライブを日大経済学部など6校で開催。これを足掛かりに、翌年の元日にエイベックスと契約
2010年:人気上昇中のAKB48が慶應大「三田祭」に出演。一部の学生が下ネタの野次を飛ばし、物議を醸す
2023年:コロナ禍が明け、学園祭が本格的に復活。「NHK紅白歌合戦」4度の出場を誇る
Little Glee Monsterが早稲田大など4校に登場
※週刊ポスト2024年9月20・27日号
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
東大在学時にアイドルイベントを主催した和田秀樹氏 当時中学生だった武田久美子を発掘「東大生の情熱が学園祭隆盛の先鞭をつけました」
NEWSポストセブン / 2024年9月15日 7時15分
-
「振り返れば奴がいる」から31年、出演者の現在 再放送で「懐かし過ぎて、胸熱」「三谷さん脚本のドラマだったんだ」と話題
ねとらぼ / 2024年9月13日 7時45分
-
森高千里さん ライブ写真に反響 「いつまで経ってもおばさんじゃ無い! アイドルまっしぐら」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月8日 13時42分
-
森高千里が55歳でも「オバさん」にならないワケ…ミニスカ姿が《完璧すぎる》と絶賛
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月29日 9時26分
-
23歳→55歳 森高千里「私がオバさんになっても」の答え合わせが衝撃的
J-CASTニュース / 2024年8月26日 16時15分
ランキング
-
1西島秀俊、“笑わない役”の撮影裏話明かす「全シーン吹き出していました」【スオミの話をしよう】
モデルプレス / 2024年9月14日 17時9分
-
2有働由美子 紅白でのSMAPへの“暗黙のルール”ぶっちゃけ「制作側の勝手な忖度で…」
スポニチアネックス / 2024年9月14日 20時40分
-
3浜田雅功 同行Pに本気のダメ出し「なめてんの」「イライラしてる」パリ五輪緊急取材が珍道中に…
スポニチアネックス / 2024年9月14日 18時41分
-
4「大人になるって、素敵」菊池桃子、年を重ねて気づいた“本物”になるということ
週刊女性PRIME / 2024年9月14日 21時0分
-
5NMB48原かれん卒業発表 選抜落ちで精神不安定に「全力で頑張ってきたい目標は見失ってしまった」
スポニチアネックス / 2024年9月14日 20時34分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください