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郊外で相次ぐ闇バイトグループによるロレックス強盗事件 思慮の浅い者たちが犯罪に加担することによる「危険な兆候」

NEWSポストセブン / 2024年9月14日 16時15分

 筆者も以前、盗品のロレックスが中国へ流れている、という話を複数筋から聞いていた。世界中で人気があり、右から左に転売できるロレックスやクロムハーツは、一部の中国人富裕層にとっては不動産のように暴落しない「価値が普遍なもの」と捉えられているという。そして、別の事件でも、やはり中国というキーワードが出てくる。

 高級腕時計を所有者から預かり貸し出すシェアリングサービス「トケマッチ」を運営していた合同会社ネオリバース(解散)の元代表が今年3月、業務上横領の疑いで指名手配された。9月には、中国で倍にして売ると客から預かった高級腕時計をだまし取った詐欺容疑で会社役員の男らが逮捕されている。

「客から預かった時計を持ち逃げする事件も相次いでいます。ここでもロレックスがターゲットにされ、未返却のロレックスの大半が、すでに中国をはじめとした海外に送られているとみられます」(大手紙社会部記者)

思慮が浅い者たちによる強盗事件の数々

 ロレックスを詐取する手練手管を使った事件が相次ぐ一方で、工夫の跡が見られない強盗事件が続発する。そして強盗の実行犯の大半は、闇バイトに応募してきた、金に困った思慮の浅い素人が大半である。最近では「簡単な仕事」などとネットに書き込まれた募集に応募し、その日が来るまで「詐欺とか強盗だとは本当に知らなかった」という者もいる。ほぼ全員が、詐欺師や指示役に免許証を提示したり、自分や家族の住所を教えているために、それを使って犯行に加担するよう脅される。したがって、犯行に対するモチベーションは極めて低い。

 モチベーションが低いと何が起きるか。意欲がないと一般的な仕事でも精度が落ちるように、犯罪でも同じ事が起きる。普通なら一大決心して挑むはずの強盗であっても、目的も計画も人まかせ、絶対に成功させるという意欲も薄い。よって、厚木や鎌倉で起きた事件のように、最終的には換金という目的を果たせず、未遂に終わるパターンが増加している。

 思慮が浅い者たちの犯行や犯行未遂が増加しているのなら、全体的にはたいした被害にならないのではないか、と思いがちだが安心はできない。むしろこれは、危険な兆候とも言える。なぜなら、いくら詐欺や強盗とはいえ、どんどんその仕事の「荒さ」が目立ち始めると、その先には人が怪我を負ったり、死ぬような展開が、遠くない未来に必ず起こるからだ。

 闇バイトに応募して手を染める意識が低い人たちによる犯罪といえば、かつては特殊詐欺で電話をかけるだけ、お金を受け取りに行くだけだった。いわゆる「(電話の)かけ子」や「(現金の)受け子」と呼ばれる人々だ。ところが、実際に被害者に危害を加える「アポ電強盗」へと変化し、その果てに起きたのが「ルフィ事件」だったことも記憶に新しい。

 ルフィ事件のひとつに数えられている、2023年1月に狛江市で起きた強盗致死事件の被告のうち、犯行時19歳だった男への裁判員裁判で、9月6日に言い渡された判決は懲役23年だった。被告は被害者死亡する行為に加担していないと主張したが、事前に計画された犯行の役割は果たしていたとしての判決だった。この事件では、実行犯たちの誰も殺害するつもりはなかったのではと見られているが、ずさんな強盗で思うようにことがすすまないことにパニックを起こしたのだろう、過度な暴行の末に人が死んだ。今後、そんな”にわか”窃盗グループが日本各地に現れる可能性は高まっているとしか思えない。

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