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《今や番宣スター》三谷幸喜は何がスゴいのか? MCもこなし、バラエティに引っ張りだこ、“裏かぶり”もOK「三谷さんだから許される」が業界の共通認識に

NEWSポストセブン / 2024年9月15日 11時15分

 さらに特筆すべきは業界内で「三谷さんだから許される」という共通認識のような感覚があること。たとえば大河ドラマ『鎌倉殿の十三人』(NHK総合)の脚本を手がけていたとき、他局であるにもかかわらず『情報7daysニュースキャスター』で番宣し、TBSの社長からもお墨付きをもらっていました。映画製作にかかわっていない他局でも番宣が許されるのは、それだけ番宣出演する番組の視聴率や話題性アップに貢献できるからでしょう。

 もう1つ「三谷さんだから許される」と言われる理由は、番宣における出演俳優たちへの影響力。俳優たちが三谷さんの演出・脚本をリスペクトしているのは間違いありませんが、番宣出演におけるスキルにも一目置かれています。ただ、「番宣は三谷さんにまかせておくのが一番いい」とは思っていても、監督・脚本家が自らこれだけ番宣するのですから出演俳優としては「出ない」というわけにはいきません。

 また、三谷作品の出演俳優にはコメディ巧者が多く、情報番組やバラエティに出た際に笑いにつなげられるなど、計算が立ちやすいこともポイントの1つ。人気だけでなくトーク力やサービス精神があるため、各番組の制作サイドを喜ばせるというケースが目立ちます。このような出演俳優への影響力も、番宣における三谷さんの実力としてみなされているのでしょう。

キャラの振り幅と台本の読解力

 では番宣出演における三谷さんは、どんなところを評価されているのか。

 必ずネクタイを締めたスーツ姿で現れるように三谷さんは「真面目」「謙虚」が基本スタンス。だからこそ時折、放つユーモアの振り幅が大きくなり、笑いにつながると言われています。

 そのユーモアも強引に笑いを取りに行くような姿勢はなく、コンプライアンスにかかわるような過激な発言の不安がほぼないこともポイントの1つ。常識や見識を備え、俳優とのエピソードや名作の裏話も豊富な上に、リスクが少ないことがさまざまな番組への対応力につながっています。

 また、三谷さんは幼少期から大のテレビ好きだったことを明かしているほか、構成作家としてバラエティを担当した経験もあり、台本の読解力が高いことも強み。だからこそいい意味で予定調和を壊すようなトークで「いつもとは違う笑い」をもたらすケースが目立ちます。たとえば13日の『ぽかぽか』でも、本来MCがゲストに「〇〇っぽい」というイメージをぶつけるコーナーがありますが、あえて三谷さんが長澤さんに「旅館の朝、浴衣がずるずるになってるっぽい」と問いかけて笑いを誘っていました。

 さらに三谷さんは喜劇作家ならではのユーモアだけでなく、ドッキリなどのバラエティ企画にも対応。かつては芸人でも嫌がる罰ゲームなども行っていました。そんな大物らしからぬバラエティ歓迎のスタンスも期待感につながっているようです。

 映画の公開は3~5年に1作程度のペースで飽きられることもなく、ここまであげてきたさまざまな点を踏まえると、芸能界トップクラスの番宣スターと言っていいのではないでしょうか。

【プロフィール】
木村隆志(きむら・たかし)/コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』『どーも、NHK』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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