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《税金流出を防ぐ狙いか》東京23区でふるさと納税返礼品に鉄道体験が増加中 一日駅長、車内放送の録音・放送、マジックハンドで落とし物拾得など

NEWSポストセブン / 2024年10月19日 7時15分

 鉄道関連のコンテンツは人気が高く、東京都北区も2023年12月に鉄道の体験型返礼品を2種類用意した。ひとつは尾久駅構内をディーゼル機関車に乗って探検することとシミュレーター体験がセットになったもの、もうひとつが田端統括センターで運転席の見学と写真撮影やシミュレーターの体験がセットになった返礼品だ。

「北区がふるさと納税の返礼品に鉄道の体験型返礼品を加えることになったのは、JR東日本の担当者から打診を受けたことがきっかけでした。打診を受けて庁内で議論したところ、北区には田端駅や尾久駅に車両基地が併設されていて、それらを有効活用できると考えました。こうした経緯で2つの体験型返礼品を用意しましたが、すぐに枠が埋まってしまうほど好評でした」と話すのは北区区民部税務課の担当者だ。

 好評を博したために北区は2024年5月と7月にも同様の返礼品を用意したが、こちらも即座に”完売”した。

「車両の手配などJR東日本との調整も必要になりますので、まだ詳細は発表できませんが、今後もJR東日本と協力して新たな体験型返礼品を用意したいと考えています」(北区区民部税務課の担当者)

マジックハンドで落とし物拾得体験、車内放送録音

 ふるさと納税の返礼品に鉄道体験を用意する動きは、ほかの自治体にも広がっている。荒川区は2024年10月に従来の返礼品に加えてJR東日本とのコラボ体験型返礼品を追加で用意した。

「これまでにも荒川区は区の伝統工芸品をふるさと納税の返礼品にしていましたが、体験型の返礼品を充実させることで荒川区に足を運んでもらいたいという思いから2024年10月にJR東日本の協力もとで日暮里駅での仕事体験と貸切列車の乗車体験という体験型の返礼品をメニューに加えました」と説明するのは荒川区総務企画部総務企画課の担当者だ。

 荒川区が用意した体験型返礼品は、寄付額30万円の4コースがあり、各コースは限定1グループ、1グループは4名までが参加可能となっている。

 仕事体験では駅でマジックハンドを使って線路内の落とし物を拾ったり、手旗を使用した合図掲出、駅員室の起床装置を体験する。

 貸切車両の乗車体験では、普段は乗車できない荒川区内の貨物線を走行し、車内アナウンスを体験する。

 荒川区内にはJR各線のほか東京都交通局の都電荒川線と日暮里・舎人ライナー、京成電鉄、東京メトロの千代田線と日比谷線、つくばエクスプレスなどが走っている。そうした中、荒川区がJR東日本を選んだ理由は、先述した新宿駅での駅長・駅員体験といった自治体とコラボした前例があることが大きい。

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