【“裏金議員”の落とし方】公選法の対象外となる合法的な“落選運動”の注意点 「組織でやるのはNG」「根拠となる事実を提示」
NEWSポストセブン / 2024年10月18日 7時12分
短期決戦の総選挙は、はや終盤に入った。最初のうちは“裏金議員”に対して厳しい姿勢を見せていた石破茂・首相も、結局非公認としたのは12人にとどまり、裏切られた気持ちを抱える有権者もいるのではないだろうか。そんな時に効果的なのが「落選運動」だ。落としたいと思う候補者がいるなら、それは主権者がその手に持つ合法的な武器となる。【全3回の第1回】
事実をもとにやればOK
石破首相は裏金候補のうち12人を自民党非公認、34人は比例代表との重複立候補を認めない処分にしたが、「ハンデのなかで戦って議席を得て国民の信任を得たことは大変なことだ」と、当選すれば追加公認して自民党に復党させ、役職への起用も「適材適所だ」と検討する方針を示した。
“有権者が当選させたのなら、それで禊ぎは済む。もう文句は言うな”という姿勢だ。
つまり、裏金問題に関しては今回の総選挙の結果が極めて重要になる。
総選挙は国民が政治家の行動に審判を下すチャンスといっても、自分の1票の行使だけで望む結果になるかは当然、定かではない。
「裏金候補をどうしても落選させたいが、何をすればいいかわからない」
そう考える人はどうすればいいのだろうか。
実は、「落選運動」という方法がある。有権者が他の有権者に呼びかけ、裏金候補たちを国政から排除しようと動くのだ。そうした活動を合法的に展開するやり方である。
裏金問題を告発し、かつて「安保関連法賛成議員の落選運動を支援する会」共同代表を務めた上脇博之・神戸学院大学教授が語る。
「落選運動は誰かを当選させる目的の『選挙運動』とは違うため、原則、公選法の規制の対象外です。幅広い活動ができます。ただし、選挙期間中に落選運動を行なう場合、公選法の規制が一部適用されるので注意が必要です」
上脇氏は注意すべき点として次の4つを挙げた。
【1】「A候補を落選させよう」と訴えるのは問題ないが、「A候補を落選させるために対立候補のB候補に投票しよう」と呼びかけると落選運動ではなく「選挙運動」とみなされ、公選法上、看板の掲示ができないなど数々の規制を受ける。そのため、落選運動を行なう場合は、「○○候補に投票しよう」という呼び掛けはしてはいけない
【2】公示後の落選運動は個人で呼びかけるのはOKだが、組織でやるのはNG
【3】ネット選挙が解禁され、ブログやHP、メールでの落選運動は氏名やアドレスを明記することが必要になった
【4】落選させたい理由は根拠となる事実をもとに提示する。誹謗中傷は名誉毀損になるのでNG
第2回では具体的な落選運動の実践方法を紹介する。
(第2回に続く)
※週刊ポスト2024年11月1日号
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