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《ワールドシリーズで現役最高選手対決》大谷翔平は“世界一の打者”に勝てるのか ジャッジが残した「50-50」を超える凄まじい数字

NEWSポストセブン / 2024年10月26日 7時13分

両雄激突(左はアーロン・ジャッジ/Getty Images)

 歴史的なシーズンはいよいよクライマックスを迎えた。ワールドシリーズ制覇へ突き進むドジャース・大谷翔平(30)にとって最後の“高い壁”がヤンキース主砲であるアーロン・ジャッジ(32)だ。この物語はどんな結末を迎えるのか。【前後編の前編】

 ニューヨークとロサンゼルスの超人気チームによる43年ぶりの決戦で、現地も沸きに沸いている。在米ジャーナリストで『ルポ 大谷翔平』の著者・志村朋哉氏が言う。

「近年は地味なチーム同士の対戦もあってワールドシリーズの視聴率が低迷していたが、黄金カードで大盛り上がりです。特に大谷とジャッジという現役最高選手2人の対決は、米国メディアが伝えるストーリーでも最大の目玉。2022年のア・リーグMVP争いでも“どちらが上か”の議論が盛り上がったが、改めて米国の記者やファンの最大の関心事になっている」

 2022年のMVP争いはリーグ新記録となる62本塁打のジャッジが制し、二刀流で15勝・34本塁打だった大谷が後塵を拝した。米国メディアは「当然だ」とする論調だった。

「投手としてもエース級の大谷はメジャーで最高の価値がある選手ですが、今季のような“打者だけ”で見ればジャッジが上なのも事実です」(志村氏)

 今季、日本では大谷のメジャー初となる「50-50」が大々的に報じられたが、ジャッジはさらに凄まじい数字を残した。58本塁打、144打点、打率.322でア・リーグの本塁打王と打点王。大谷もナ・リーグの本塁打と打点で二冠だが、54本塁打、130打点、打率.311で3部門ともジャッジに届かなかった。『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑』編著者の友成那智氏が語る。

「ジャッジのシーズン62本塁打を超える記録を持つ選手はバリー・ボンズら3人がいますが、いずれも後に禁止薬物の使用が発覚した。“ガチンコ”のジャッジは実質的なメジャー最多本塁打記録保持者と認識されています。ジャッジが大谷より優れているのは、安定して本塁打が出てスランプがないところ。チャンスにもしっかり結果を残す。今季の得点圏打率.336は大谷の.283を大きく上回ります」

 大リーグ研究家の福島良一氏も「ジャッジはメジャー最高のホームランバッター」と話す。

「長打率.701はメジャー1位で、2位の大谷は.646。さらに、メジャーで重視されるOPS(出塁率+長打率)は1以上で超一流とされますが、大谷の1.036に対し、ジャッジが1.159でこちらもメジャーのトップです。これらの数字でジャッジの凄さがわかるでしょう。性格もよくて、当然ながらファンの人気も凄いものがあります」

 今季のオールスター投票では342万票を集めて全体1位。3位だった大谷の277万票に大きく水をあけた。

「ジャッジは生後2日で共に教師であるジャッジ夫妻の養子になり、厳しい躾を受けて育ったため礼儀正しく、生活態度も至って真面目。不摂生による成績不振とは無縁です。ヤンキースに在籍したデレク・ジーターらのように女優や歌手と浮き名を流すこともなく、信頼と尊敬を集めます」(友成氏)

 果たして大谷はこの世界一の打者に勝てるのか。

(後編につづく)

※週刊ポスト2024年11月8・15日号

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