《追跡ルポ》ベトナム人犯罪グループによる車両窃盗、関東・中部の旧ビッグモーターなどで被害頻発 犯罪に走る“ボドイ”と呼ばれる不法滞在者たち
NEWSポストセブン / 2024年11月5日 7時13分
昨今、ベトナム人犯罪グループによる大規模な車両窃盗事件が相次いでいる。販売店の展示車を狙う犯行の実態を、『北関東「移民」アンダーグラウンド』(文藝春秋刊)の著者で、在日外国人問題に詳しいルポライターの安田峰俊氏が報告する。【前後編の前編】
10月8日、埼玉県警など7県警の合同捜査本部が、別件で身柄を拘束していたベトナム国籍の男たち5人を、建造物侵入および窃盗の疑いで再逮捕した。
容疑は今年4月10日の深夜から翌朝にかけて、中古車販売大手・WECARS(旧名ビッグモーター。以下「旧BM」)新潟南店に侵入し、乗用車7台や現金を盗んだことである。
埼玉県警によれば、被害総額は約965万円。まず7月3日にヴー・ティエン・マイン容疑者(30歳)が盗品運搬容疑で逮捕され、その後24~25歳の仲間4人が芋づる式に捕まった。犯行時には、他にも氏名不詳のベトナム人が加わっていたとみられている。
今回、関東・中部一帯で合同捜査体制が敷かれていたのは理由がある。
新潟の事件より前の今年1月~4月上旬、群馬・埼玉・山梨・長野の旧BM6店舗で同様の車両窃盗が頻発し、合計29台が盗まれていたからだ。
被害車両の一部は発見されたが、約3分の2は行方不明のまま。転売されるなどして闇ルートに流れた可能性が高い。
容疑者5人は全員が住所不定、うち4人が不法滞在者だった。
ベトナム人の不法滞在者は通称「ボドイ」という。多くは職場を逃亡した元技能実習生たちだ。これはベトナム語で「兵士」や「部隊」を意味する言葉で、母国から遠く離れた日本で奮闘し、時には警察や入管と戦う自分たちを兵士に見立てた呼称のようだ。
ほとんどの在日ベトナム人は善良な暮らしを営んでいるのだが、ボドイは生活の不安定さゆえか、窃盗などの犯罪に走る者も多い。事実、令和に入ってからは日本国内の国籍別外国人犯罪率はベトナムがトップであり、その大部分をボドイが占めている。
「数年前、ボドイによるブタや桃の大量窃盗も話題になりました。コロナ禍の時期は、生活に困窮して食べ物を盗む感じだったのが、近年はカネになるものを狙いはじめた。手口も巧妙化・組織化しています」
警察通訳を務めた経験がある在日ベトナム人男性・ファン氏(仮名、20代)はそう話す。
以前の家畜窃盗などは、犯人が食べて自家消費するケースも多かった。だが、近年は様子が異なるという。
「最近、ベトナム人犯罪グループによる衣料品店やドラッグストアでの大量万引きが多発していますが、盗品を転売する元締めが、ネットで集めた人々に指示して窃盗をおこなわせている。昨今の自動車窃盗も、似た構図があるのでは」(同前)
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
【3倍増…なぜ】“空き家”狙った窃盗被害が県内で急増!その実態と狙われやすい条件…防犯対策は(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年10月30日 17時23分
-
住居侵入で逮捕の男は「ロレックス172本強盗」実行役…逮捕は“偶然のたまもの”だった
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月27日 9時26分
-
3分で消えた2.8億円ロレックス、犯行グループに突かれた「警備員なし」の隙
産経ニュース / 2024年10月24日 20時52分
-
2.8億円ロレックス窃盗団の手慣れた犯行手口…主犯格は生活保護受給者、ラブホで身柄確保の哀れ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月23日 11時3分
-
このままでは"落とした財布が戻る日本"が失われる…「安全大国」でじわじわ進行している"想定外の犯罪"
プレジデントオンライン / 2024年10月19日 8時15分
ランキング
-
1男性が首から出血 近くにカマ 病院搬送も死亡確認 滋賀・高島市のホームセンター
ABCニュース / 2024年11月4日 19時46分
-
2H3・4号機、打ち上げ成功=防衛通信衛星、予定軌道に―3機連続「大きな一歩」・JAXA
時事通信 / 2024年11月4日 20時46分
-
3「私と別れたいなら死ね」別れ話を切り出した男性の顔を殴り包丁で胸をつついた疑いの女を逮捕
KKT熊本県民テレビ / 2024年11月4日 18時38分
-
4石破首相、バイデン氏・習近平氏と初の対面会談の意向明かす…「首班指名いただければ」
読売新聞 / 2024年11月4日 17時39分
-
5「H3」の打ち上げ3回連続で成功…防衛省の通信衛星「きらめき3号」搭載の4号機
読売新聞 / 2024年11月4日 20時56分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください