《子育てを完璧にとは思わない》母となった井上晴美が3児の声をまずは受け入れる「間違う大切さ」 熊本地震でSNSバッシングも経験
NEWSポストセブン / 2024年11月5日 10時58分
1990年代はアイドルとして、女優として、歌やドラマ、グラビアで活躍してきた井上晴美さん(50)。30歳で国際結婚をしてからは、東京を離れ地方で3人の子育てをしてきた。2016年の熊本地震で自宅全壊の被害にあった際、被害の状況をブログで発信したところ、心ない声が届くこともあった。そのときの印象が強く残るファンもいるだろう。当時のことや田舎暮らし、子育ての話を聞いた。【全3回の第2回。第1回から読む】
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「熊本地震でバッシングを受けたときのつらさは、今も乗り越えてはいません。100の応援メッセージをもらっても、1つのバッシングのコメントがつくと、100の応援メッセージが吹っ飛ぶほどの威力があるんですよ」
当時、熊本県阿蘇の古民家に家族5人で暮らしていた。震災発生時、早寝早起きの子どもたちはすでに寝ていた。井上さんは子どもたちを起こし、最低限のものをもって一緒に逃げようとしたが、道路が寸断され動けず、真っ暗ななか庭にテントを張り、テントと車中で休んで夜が明けるのを待つような切迫した状況だった。
「携帯をなるべく使わないようにして、SNSで“私は今、こういう状況だよ”ということを、書き込むときだけ電源を入れていたので、周りの状況やみなさんからのメッセージにしばらく気がつかなかったんです。あるとき、気がついてみたら……」
心ないコメントに傷つき、「なぜ、こんなことを書き込んでくる人がいるんだろう」「何がしたいのだろう」──悲しみや悔しさが頭の中で渦巻いた。SNSはいったん休止した。
移動ができるようになると知人のいた大阪へ避難し、その後、子どもたちの希望もあり、また熊本へ戻って暮らすことを選んだ。熊本で生活を再建し落ち着いてくると、心理学の本を手に取った。
「子育てを始めてから、子育てのことなどに悩むと図書館で心理学の本を借りて読んでいたんです。このときも、バッシングする人の心理を知りたくて本を読みあさりました。私は自分の状況をただ知ってほしくて発信していたけど、客観的じゃなかった。それが気に入らない人がいたってことなんですよね」
本で学んだことで、当時の出来事を100%消化して乗り越えることはできなくても、癒やしや救いにはなったという。
「私としては芸能界はオススメしない」
読書は反抗期への対処法など、子育てについて考えるヒントもくれた。井上さんの子育ては独特だ。たとえば、家にはテレビがない。子どもたちが幼い頃は、ひとつの携帯電話を一緒に使い、友人とのラインのやりとりなどを家族全員で共有していた。子どもが「学校に行きたくない」と言ったときは、「わかった」と言って休ませ、登校を無理強いすることはなかった。
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