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《私の最初の晩餐》片岡鶴太郎が振り返る、若手時代に橘家竹蔵師匠の家で食べた「中華風豚の角煮」

NEWSポストセブン / 2024年11月3日 11時15分

 もちろん竹蔵師匠は慣れたもので、高円寺のお宅に入ったら、チャキチャキした奥さまがいらして、パッパッパッパッとテーブルにご馳走が並んで、お酒も次々。すっかり浮かれ気分になってしまって「ずいぶん酔ってしまいました。すみません」と謝ったら、師匠が言うんだ。「酔うために飲むんだから、構わないよ。酔わなきゃ面白くないだろ」って、こっちに気を使わせないようにね。

 奥さまの手料理はどれもおいしくて、中でもびっくりしたのが豚の角煮。沖縄料理のラフテーってあるでしょう。あれよりも脂身は少なくて、だけど身はほろほろ、ほんのり中華風の甘辛。2年前、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』に出ているときなんかは、ラフテーが出てくるたび、心の中で竹蔵師匠の家の角煮を思い出してね。懐かしいなあ。

若手時代を思い出す師匠と食べたご馳走

■中華風豚の角煮
●材料(4人分)
豚バラブロック肉600g、にんにく2片、しょうが1片
長ねぎ(青い部分)1本、赤唐辛子1本
A[豚バラブロック肉のゆで汁3カップ、紹興酒1/4カップ、きび砂糖大さじ3、しょうゆ大さじ2、オイスターソース大さじ1.5]
絹さや8枚
水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1を水大さじ1/2で溶いたもの)

●作り方
【1】鍋に豚バラ肉、ぶつ切りにした長ねぎの青い部分を入れ、肉と長ねぎがかぶるくらいの水を入れる。強火にかけて煮立ったら弱火で40分加熱する。肉に竹串がすっと通るようになったら、ゆで汁ごとボウルの上にのせたざるにあけ、肉は水洗いして、ペーパータオルで水気をふき、8等分に切る。ゆで汁はとっておき、鍋は軽く洗っておく。
【2】にんにくは包丁の腹でつぶし、しょうがは皮つきのままスライスして鍋に入れ、【1】の豚バラ肉、赤唐辛子、[A]を入れて強火にかけ、煮立ったら落し蓋をして弱火で肉がやわらかくなるまで約1時間加熱する。
【3】絹さやは筋を取り、塩ゆでしておく。
【4】【2】の落し蓋を外し、中火で15分加熱して煮詰める。器に豚バラ肉を盛り付け、鍋に残った煮汁に水溶き片栗粉を加えて再び加熱し、とろみがついたら盛り付けた肉にかけて【3】の絹さやを添える。

【プロフィール】
片岡鶴太郎/1954年、東京都生まれ。高校卒業後、片岡鶴八に弟子入り。テレビのバラエティー番組を足がかりに大衆の人気者となる。映画『異人たちとの夏』で、第12回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞。2015年、書道界の芥川賞といわれる「第10回手島右卿賞」を受賞した。

写真/深澤慎平 料理・スタイリング/柳瀬真澄

※女性セブン2024年11月14日号

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