《国民民主「まさかの28人目の当選者」》司法試験2度失敗の氷河期世代で、本人は「日本一動く比例単独議員を目指す」と意気込む 党の事務方と候補者を両立して当選果たすまで
NEWSポストセブン / 2024年11月4日 7時15分
先の衆院選で議席を4倍に増やした国民民主党。そのラスト1枠、28番目で比例北海道ブロックの当選を勝ち得たのが党職員の臼木秀剛氏(43)だ。同党で初めての北海道での当選者ともなった。1か月前は出馬の予定もなかったが、「まさか、まさか」が重なって、“想定外の初当選”を手にした。どのような思いなのか、臼木氏本人に話を聞いた。
臼木氏はこれまで、党国会対策委員長の古川元久氏を補佐するのが仕事だったが、上司にあたる古川氏は「当選しないっていうから名簿に入れるのを了承したのに、話が違う!」と嬉しい悲鳴をあげた。
玉木雄一郎代表や榛葉賀津也幹事長と抱き合ったのは、投開票日から日付が変わった10月28日午前2時47分だった。臼木氏が語る。
「開票センターのために借りていた部屋の片付けを済ませた後、“北海道ブロックはまだ票が伸びるかも”というので控え室に残って党幹部やスタッフたちと一緒に見守っていたら、本当に速報が入ったんです」
どんな気持ちで開票速報を見守っていたのか。
「新聞各紙の情勢調査でも北海道ブロックでは“国民が議席獲得の見込み”なんて書いたところは一紙もありませんでした。もちろん、期間中にチラシの受け取りなど手応えは感じてはいたけれど、まさか議席をいただけるほどまで伸びるなんて。
その瞬間は、一緒に回ってくれた人たちの顔とか、議席をいただいた責任感の重さとか、いろんな感情が一挙に押し寄せてきました」(臼木氏)
公認が出たのは解散の当日
父親の仕事の関係で幼少期は神奈川県や兵庫県内を転居し、高校は姫路市の県立高校、大学は信州大学に通ったが、北海道には縁はなかった。
そんな臼木氏に公認が出たのはなんと石破茂首相が解散に踏み切った10月9日。内定していた別の新人候補が辞退したため、党職員の臼木氏に急遽、白羽の矢が立った。
「心の準備は皆無でした。党の選挙の事務方として、私は街頭演説や遊説計画の担当になって9月以降、体制の準備に慌ただしくやっていましたから、まさか自分が、と。ただ、党の事情もわかる立場でもありましたから」(臼木氏)
党の事務方の仕事と候補者との二足のわらじを履いた選挙期間中は大忙しだ。玉木代表が都内各所で街頭演説をやるとなれば、その場所取りはもちろん前座も務め、仙台、大阪、兵庫など各地でチラシ配りをしたりと飛び回った。
そのため街頭演説で北海道に入ることができたのは、4~5日間が精一杯。札幌市内を中心に街頭に立った。
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