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昭和人間よ、今こそ昭和の「新語・流行語」を果敢に繰り出そう

NEWSポストセブン / 2024年11月9日 16時15分

【ワンフィンガー ツーフィンガー】(1987年「流行語部門・大衆賞」)

【しょうゆ顔・ソース顔】(1988年「流行語部門・大衆賞」)

「定年後はどうするの?」と聞かれて、岡本太郎っぽい表情と口調で「定年はバクハツだ!」と言えば、不思議な力強さを印象付けられるでしょう。バーでウィスキーの水割りをバーテンダーに注文するときは「○○をツーフィンガーで」と、仕草付きでキザに決めたいもの。たぶん通じませんが、「失礼。ダブルで」と言い直せば「人生の先輩感」を醸し出せそうです。「しょうゆ顔・ソース顔」は、時節柄、自分の顔以外に使うのは控えましょう。

●時代は変わるものだと実感できる3つの言葉

【150円台】(1986年「特別賞の特別部門・特別賞」)

【新人類】(1986年「流行語部門・金賞」) 

【5時から(男)】(1988年「流行語部門・大衆賞」)

 今では「この世の終わり」みたいに言われがちな「150円台(米ドルに対する円レート)」ですが、この頃は200円を切ったことが話題で、「やがて150円台になる」という予測がポジティブなニュアンスで語られていました。当時「新人類」の代表として表彰されたのは、西武ライオンズの若手だった清原和博、工藤公康、渡辺久信の3人。「5時から(男)」は、かつては批判的に見られていましたが、今はむしろ推奨される生き方になりました。

●冗談っぽく本音を表現できる3つの言葉

【くれない族】(1984年「流行語部門・銀賞」)

【亭主元気で留守がいい】(1986年「流行語部門・銅賞」)

【やるしかない】(1986年「特別賞の特別部門・特別賞」)

「くれない族」は、すぐに「~してくれない」と言いがちな人のこと。若い部下の指示待ちっぷりを嘆くときに「あいつら本当に『くれない族』だよな」と言えば、同年代は深く共感してくれるでしょう。「亭主元気で~」は「女房元気で~」とアレンジすることで、活用の幅が広がりそうです。「やるしかない」は、社会党の新委員長になった土井たか子の言葉。何かに挑戦する場面で「やるっきゃない!」と言って強い決意を表現しましょう。

●同年代を確実にニヤリとさせられる3つの言葉

【「まるきん、まるび」(1984年「流行語部門・金賞」)

【私はコレで会社をやめました】(1985年「流行語部門・大衆賞」)

【今宵はここまでに(いたしとうござりまする)】「1988年「流行語部門・金賞」」

 お酒の誘いを断わるときに「今月は『まるび』だからさー」と断わったり、チャーシュー麵を頼んだ同僚を「おっ、『まるきん』は違うね」と冷やかしたりすれば、お互いに少し楽しい気持ちになれます。離婚のいきさつを聞かれて「私はコレで結婚をやめました」と小指を立てながら言ってみるのもオツなもの。飲んでいて先に帰るときには、若尾文子っぽく「今宵はここまでに~」と言ってみましょう。同年代同士の絆が深まりそうです。

 昭和の頃の「新語・流行語」を振り返ることで、言葉の持つ幅広いパワーやしぶとい生命力を感じることができました。今年の年間大賞やトップテンは12月2日に発表されるとか。ただ、どんな言葉が選ばれたとしても、昭和人間がそっちを積極的に使うのは危険。どこか痛々しい感じになりそうです。新しいほうが使いづらいところに、言葉の不思議さや「新語・流行語」というものの微妙さを感じずにはいられません。

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