《ICUで眠る師匠の人工肺を外した日》笑福亭笑瓶さんを看取った弟子が明かした最期「『今までごめんな』搬送直前まで会話していたのに…」
NEWSポストセブン / 2024年11月10日 11時13分
「朝起きた師匠は奥さんと『よく寝れたわ』『ほんま? よかったな』などと、何気ない会話を交わしていました。師匠は習慣にしているストレッチのためにリビングに行きましたが、異変を感じた奥様が向かうと倒れていたそうです。『胸が痛い』と訴えて、奥様が急いで救急車を呼んだ時、師匠は『今までごめんな。ありがとう』と直接感謝の言葉を伝えました。その直後に師匠の意識はなくなっていったそうです」
大阪に住んでいた笑助氏は笑瓶さんの妻から連絡を受け、倒れた当日に都内の病院へと向かった。ICUで眠る笑瓶さんの回復を信じて、妻、所属していた太田プロの社長、マネージャー、そして笑助氏らで見守った。
「病院の方から『小康状態なので一旦お帰り下さい。何かありましたら奥様に連絡します』と言われ、夕方頃に病院を後にしました。次の日の朝、病院の先生から奥さんに『症状がよくならないのでECMO(体外式膜型人工肺)を外すので看取りに来てください』と連絡がありました」
連絡を受けた笑助氏も病院に到着。ICUには昨日と同じように眠り続ける笑瓶さんの姿があった。
「師匠に繋がれていた管が外され、先生が時計を見て朝8時頃に『ご臨終です』と。師匠の最期を奥さんと一緒に立ち会い、奥さんは泣きながら師匠の顔を撫でて、『笑助くんも触ってあげて』と。それまで僕はずっと手を握り、弟子が師匠の顔を触れるなんて……と躊躇しましたが、尊敬する師匠を前にたまらず、顔を触らせていただきました。いろいろな言葉を掛けたかったのですが、泣きながら『師匠、ありがとうございました』の感謝の言葉しか出てきませんでした」
生前、笑瓶さんは誰にも語ることなく、長年に渡って福祉施設への寄付を続けていた。笑瓶さんの死後、大阪府肢体不自由者協会の理事長は次にようにコメントしている。
《昭和57年から「渡士洋」の名前で毎月多額のご寄付をいただいておりました。その期間は、40年にもおよびました。(略)笑瓶さんが27歳という若さで、寄付をしようと思って、実際に寄付を継続されたことは、感謝しかないです》
笑助氏が振り返る。
「以前、師匠の奥さんから寄付していることを少しだけ聞いたことがありました。若い頃から社会福祉活動には興味があったみたいで、『自分は好きな仕事ができてありがたいけど、世の中にはそうじゃない人もいる。本当は自分がもっと足を運んでできたらいいんだけど、少しでも役に立てれば』と、40年間で一軒家を購入できるくらいの金額を寄付していたようです。師匠との付き合いは27年、もう増えることはありません」
最愛の師匠の旅立ちから1年半──。『お笑い芸人やからな、いつも幸せそうな楽しい顔しとかないかんで』。笑瓶さんの教えを守り、笑助氏は亡き師匠との思い出を笑顔で語り続ける。
後編では、テレビ局で弟子入りを志願した時の笑瓶さんの反応、笑助氏の運転中に師匠が激怒した日などについて語っている。
(後編に続く)
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
露の團四郎が来秋に三代目露の五郎襲名発表「これからも一生懸命励んで参ります」
スポーツ報知 / 2024年11月13日 13時13分
-
桂米助、二ツ目ユニット「芸協カデンツァ」の新喜劇興行にエール「落語と喜劇の二刀流で」
スポーツ報知 / 2024年11月11日 14時8分
-
《なんで言われへんねん!》笑福亭笑瓶さんがめずらしく激怒した「ダメ出し事件」、愛弟子が初めて明かす師匠の“知られざる素顔”
NEWSポストセブン / 2024年11月11日 10時59分
-
“カミナリ”内海英華、笑福亭鶴二に愛のある“アホ”「浸透しているし、大事にしたい大阪弁」
日刊スポーツ / 2024年11月8日 20時7分
-
笑福亭鶴光「落語は本妻でラジオは愛人」 パーソナリティ時は「つるこう」読みの理由も告白【独占インタビューVol.2】
ORICON NEWS / 2024年10月15日 7時0分
ランキング
-
1八代亜紀さん、入院後111日で亡くなっていた「歌えないなら死んだ方がマシだわ」声帯傷つける恐れある施術拒否
スポーツ報知 / 2024年11月13日 4時59分
-
24人の婚外子、高校生との交際疑惑…菊川怜が5年間に3人出産でも「苛酷すぎた結婚生活」を終えられたワケ
女子SPA! / 2024年11月12日 15時45分
-
3松下洸平「放課後カルテ」の丁寧なドラマ化アレンジは「セクシー田中さん」問題を踏まえたもの(碓井広義/メディア文化評論家)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月13日 9時26分
-
4「やつれた?」“激やせ”で心配される広瀬アリス、実践する「体重管理法」がスパルタすぎる 「無理しすぎないか…」とさらに心配の声
NEWSポストセブン / 2024年11月13日 7時15分
-
5松本人志テレビ復帰は難航必至でやはりYouTubeへ?『一人ごっつ』方式という“奥の手”あり
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月13日 9時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください