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「『霊媒師JUN』の予言を聞いて、呪いを解くには殺すしかないと思った」宮城県・柴田町殺人事件で被告男女が語った驚愕の殺害動機

NEWSポストセブン / 2024年11月14日 7時15分

 敦子被告は直哉被告や、実姉の市瀬恵美(美人局詐欺で有罪判決)も巻き込み売春を行ない、リピーターを標的にして美人局詐欺をするようになった。Aさんにも売春をさせ、売り上げが落ちると制裁を加えていたという。そのうち、敦子被告への借金返済に窮した元夫、松野新太とその妻、みき子(美人局詐欺や証拠隠滅でともに有罪判決)も加担するようになり、「敦子被告を頂点とする売春・美人局グループ」が形成されていった。

 検察官によれば、直哉被告の実母Aさんがこのグループから抜けようと画策し、実際に抜けたことが、殺人事件の発端となったようだ。Aさんがグループから逃れるために金銭的な援助をしたのが、のちに殺害される隆一さんだった。

「犯罪の発覚を阻止するため、そしてAさんに手を貸したことへの制裁、さらに遺産獲得のため、敦子被告は隆一さん殺害を決意した」(検察側冒頭陳述)

 そして敦子被告は、架空のLINEアカウント「霊媒師JUN」を作成。霊媒師になりすまし、直哉被告に接触したのだという。

「霊媒師JUN」の予言

「霊媒師JUN」から「敦子に呪いがかけられている」と言われた直哉被告は、「隆一さんを殺害することで呪いを解くとともに、美人局事件の証拠を持っているかもしれない隆一さんを殺して今後も愛する家族らと過ごしたい、と考えた。Aさんはすでに逃走しており、殺害が困難であることから実父の隆一さん殺害を決意した」(検察側冒頭陳述)という。

 直哉被告の弁護人による冒頭陳述では「霊媒師JUN」のより詳細な“予言”が明らかにされた。

「直哉被告は、事件の数年前にLINEで知り合った『霊媒師JUN』の予言や、霊的能力などを信じ、絶対的な信頼を寄せていた。2023年1月ごろに『霊媒師JUN』から『敦子が、実母Aと隆一さんを含む“呪いの集団”から、呪いをかけられ、敦子の脳梗塞の症状を悪化させ、死亡させられる』と言われた。翌月には『隆一さんも“呪いの集団”に入っている』と『霊媒師JUN』から聞き、殺害を実行した」(直哉被告弁護人の冒頭陳述)

 つまり直哉被告は“大切な敦子被告の呪いを解いて助けるためには父親を殺すしかない”と考えたのだという。さらに直哉被告の弁護人は「直哉は日常的に霊的な現象を見ていて病的な疾患がある。呪いの存在を信じ、それを解くには隆一さんを殺すしかないと考えた。何らかの精神的な異常があるのではないか」などと述べ、直哉被告が事件当時、心神耗弱の状態にあったことを主張した。

 いっぽう検察側が「霊媒師JUN」の正体だとみている敦子被告の弁護人は冒頭陳述で「殺人に敦子被告は関与しておりません。直哉被告の単独犯です」と主張した。

 隆一さん殺害後、750万円の退職金のほか2000万円の死亡保険金は、敦子被告の夫、保彰の口座に入金され、直哉被告の購入した高級車のローン返済などに費消されたという。

 直哉被告は本当に「霊媒師JUN」の存在を信じていたのか。今後の公判で、敦子被告を中心とする一族の実情がどこまで明らかにされるのか。注目してゆく。

◆取材・文/高橋ユキ(フリーライター)

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