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《小学校の隣に高層タワマンを建築》渋谷区と大手デベロッパーが組んだ再開発事業にジーンズメイト創業者(79)が憤慨「大人が子どもの安全をないがしろに」

NEWSポストセブン / 2024年11月18日 11時13分

 これにより、「渋谷ホームズ」の容積率は1000%に倍増。1975年築・地上14階建ての同マンションは、34階建てのタワマンへ生まれ変わることになった。

 デベロッパーである東急不動産と清水建設は、「渋谷ホームズ」の容積率アップと引き換えに、老朽化が進んでいた神南小学校の建て替え費用を負担する取り決めとなっている。しかし、新築の高級タワマンとなった「渋谷ホームズ」が生み出すであろう利益と比べると、たとえ建て替え費用を全額負担したとしても莫大なお釣りが来る計算だ。

34階建てタワマンvs「パークコート渋谷」

「渋谷ホームズ」が34階建てになれば、当然、「パークコート渋谷」側の日当たりや眺望は悪化し、資産価値が大幅に下がることが考えられる。もちろん「パークコート渋谷」の住民である西脇氏もその被害を受けることになるが、彼が最も不安視しているのは、神南小学校の児童への影響だ。

 東急不動産と清水建設による提案書の通りに再開発事業が進めば、小学校からわずか10メートル足らずの距離に高さ約140メートルの開放型バルコニーのタワマンが出現することになる。西脇氏が訴える。

「小学校への日当たりが悪くなるのに加えて、ビル側からの落下物や盗撮、風害などの危険性も考えられます。この前も横浜の商業施設で飛び降り自殺に巻き込まれた人が亡くなる事故があったでしょう? これは渋谷区がバックアップする再開発事業なんですから、大人が子どもの安全をないがしろにしては絶対いけません。子どもに明るい未来を差し出せる日本社会でなきゃ……」

 これまでの人生は仕事に打ち込むばかりで、市民運動のようなこととは無縁だったという。

「再開発に抗うために、メディア対応をしたり、署名を集めています。ほかには渋谷区議会で実際どんなやり取りが行われているのか確認に行くこともありますが、あくまで“傍聴”という立場なので、区民が発言できる機会はほぼなく、そんな区政の在り方にも問題を感じています。

 幸い自分には時間はあるし、年齢的にも何も怖くない立場ですからね(笑)。子どもたちの未来のために少しでも何か貢献できたらと思います。僕は諦めが悪いので、この運動はなんとしてでも続けますよ」

「目先の利益だけを追求している」

「しぶや区民の声を聞く会」の事務局長で不動産鑑定士である森口英晴氏も、西脇氏とともに再開発事業に反対している。森口氏は、「一般的なマンション紛争であれば、このたびのような反対運動はしません」と断言する。

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