《チグハグ化の懸念も》相撲協会公式カレンダーで「照ノ富士の登場する月」はなぜ変わったか「例年、9月場所の番付で構成するが、引退間近の力士がいると難しい」の苦悩も
NEWSポストセブン / 2024年11月18日 11時15分
1年の納めの場所となる九州場所は、新大関・大の里の横綱への足掛かりとできるかに注目が集まっている。ひとり横綱・照ノ富士がひざの故障などで休場が目立つなか、期待は膨らむばかりだ。そうしたなか、相撲協会の公式グッズにも、異変が見えるようだ。
注目の大の里は前半戦で2敗を喫したが、ここから持ち直せるか、ファンは熱い視線を注いでいる。横綱昇進の内規には「大関で2場所連続優勝もしくは準ずる成績」とあり、九州場所で優勝すれば来年1月の初場所が「綱取り」となる。
9月の秋場所終了時点で、大の里は56勝で年間最多勝争いのトップ。2位の琴櫻に4差をつけていた。新入幕の年に年間最多勝を獲得すれば、昭和の大横綱・大鵬以来2人目の快挙となる。しかも今場所11勝以上をあげれば、大鵬の新入幕での記録を抜く。大鵬の記録を抜いての優勝となれば、待望の日本出身横綱へのリーチがかかることになる。
一方、ひとり横綱の照ノ富士は今場所も休場。秋場所に続いて2場所連続22回目となり、横綱在位20場所で12回目の休場だ。当然、来年1月の初場所は進退がかかることになる。2025年の角界の勢力図は、大きく塗り替わる可能性があるのだ。
カレンダーに登場する頃には大関を陥落していた正代、御嶽海
そうなると影響を受けそうなのが相撲協会の公式カレンダーだという。例年、九州場所の会場となっている福岡国際センターの売店に翌年のカレンダーが登場する。1月から12月まで、各月に力士の写真が掲載され、番付発表日、場所の開催日程、前売りチケットの発売日などが書き込まれている相撲ファン必携のカレンダーだ。協会関係者が言う。
「前年の9月の秋場所の番付に準じて構成されるが、ここ数年は各力士の番付の上下動がジェットコースター化しているため、年明けにカレンダーを使い始める頃には状況が一変していることも多い。特に横綱、大関をはじめ、三役陣が安定した成績を残せないことの影響が大きく出るわけです」
2023年の公式カレンダーは2月と9月に当時からひとり横綱の照ノ富士が登場したが、土俵に上がったのは5月(夏場所)と7月(名古屋場所)だけ。大関陣として3月に貴景勝、正代、御嶽海がそろい踏みとなっていたが、正代はカレンダーが発売された2022年の11月(九州場所)で大関陥落となり、翌年3月(春場所)は前頭筆頭。御嶽海も発売された九州場所で関脇に陥落し、翌年3月は前頭3枚目での登場となってしまった。
カレンダー登場の直前に引退した貴景勝
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