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【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発

NEWSポストセブン / 2024年11月25日 7時15分

「世耕氏が裏金問題の渦中にいた時、私は有志とともに理事長辞任を求め、オンライン署名を募った。署名は5万筆以上集まりましたが、大学側は受け取りを拒否しました。

 世耕氏に逆らえる職員は近大にいない。“殿様”扱いなのです。ある教員が『世耕さんが』と言おうとしたら、『世耕先生と呼びなさい』と管理職に訂正されたこともある」(同前)

二階支持を「電話で謝罪」

 世耕氏は離党会見などで理事長職について「政治活動とは関係ない」と公言してその立場に留まってきた。

 だが、実際にはどうなのか。そもそも、近大卒業式に呼んだ安倍氏の画像を出馬表明に使うこと自体、「関係ない」という言葉と矛盾している。

 さらに筆者は和歌山での選挙の実態を調査した。

 先の総選挙で「紀州戦争」と注目されたのが和歌山2区だ。自民党からは元幹事長・二階俊博氏の三男・伸康氏の出馬が決まっていたが、世耕氏はそこに強行出馬。“保守分裂”の末、世耕氏が約10万票を獲って圧勝した。

 伸康氏に比例復活も許さない完勝を支えたのが、近大の“集票力”だった。

「今回の選挙、世耕さん出るからよろしく頼みます!」

 10月中旬、和歌山2区に住む近大OBのもとには次々とこのような電話がかかってきた。

「電話をかけてきたのは校友会のメンバーです」

 そう語るのは近大OBのA氏である。校友会とは近大卒業生で組織される「近畿大学校友会」のことだ。公式ホームページによると、校友会の名誉会長は世耕弘成氏、卒業生総数は58万7054人、本部は近大東大阪キャンパス内に位置する。

 一族にとって近大OBが選挙で絶大な力となることは、世耕氏自身が自著『プロフェッショナル広報戦略』で明かしている。

〈伯父の選挙は近畿大学OBが母体(中略)近大OBが動かなければ選挙に勝つことはできない〉

 まさに世耕一族にとって“集票マシーン”であり続けてきたことになる。

 それだけではない。和歌山県串本町の田嶋勝正町長は今回の選挙戦を「悩ましかった」と振り返る。

「町村会は二階氏支持で固まっていた。しかし、うちの町立病院には近大関連病院から医師が派遣されているんです。私から世耕氏に電話を入れて、『お世話になっているのに申し訳ない』と謝りました」

 選挙区内には近大の附属中高、附属農場、水産研究所など関連施設も数多くあり、様々な影響力が窺えるのだ。

 そうしたなか、公益通報という形で告発された世耕氏による近大の「私物化」について、元文科官僚の寺脇研・京都芸術大学客員教授はこう語る。

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