1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景

NEWSポストセブン / 2024年11月25日 7時13分

 内山の主な情報源はネットであり、新聞は購読しておらず、「テレビは1ミリたりとも信用していない」。

 神戸市に住む高田会里香(54)は、公示日直後に期日前投票で斎藤に投票した後、5回以上も街頭演説を聞いている。「斎藤さんほどピュアで、クリーンな人はいません。何度話を聞いても感動するんです」と言う。

「メディアは一切信用していません。テレビは見ませんし、新聞も取っていません。メディアが一斉にだれかを攻撃するときは必ずウソがある、と思っています。結局、斎藤さんは利権に切り込んでいったから足を引っ張られたんです。だれが利権側かですか?県のOBや井戸(敏三・前知事)派の職員たち、県庁舎の建設で儲かるはずだった土建屋とかですかね。そうした思いの裏には、私自身が結構な税金を払っているのに、あまり恩恵を受けていないという不満があります。それに、立花さんなどのYouTubeを見て、“真実”を知るようになり、いろんなことが納得できました」(高田)

 この選挙戦で、元県民局長の私的な醜聞と自殺を結び付ける陰謀論を展開したのが、立花孝志だ。立花は、元県民局長が公用パソコンの中身を暴露されるのが怖くて、自殺した可能性が高い、と街頭演説で繰り返し語ることで、斎藤を援護してきた。

 斎藤の出陣式の直後に、同じ場所に立花が現れたときは、聴衆から、タチバナコールとともに、「正義の味方!」という掛け声までかかった。立花は何度も斎藤の演説の後を付いて回り、真偽不明の言説を撒き散らした。それをSNSでも拡散した。

 ここで一つ重要なことがある。

 元県民局長のプライベートな事柄については、取材している記者の大半が知っていたが、テレビや新聞、主要な雑誌が報じることはまずない。しかし、それは斎藤支持者が主張するように、「メディアが真実を隠蔽している」からではない。

 現時点で、元県民局長のプライベートな問題と自殺には直接的な因果関係は認められない。私的な醜聞情報には、報道が満たすべき公共性と公益性、真実性が欠如している。だから、主要メディアは報じないのだ。

 私的な問題以上に大切なことは、県の最高権力者である斎藤が公益通報者保護法に反す可能性がある告発者探しをした過程で、元県民局長が自殺とみられる死を遂げたことだ。

 斎藤自身は立花との直接的な関係を否定する。「いろんな人がいろんな考えを持って選挙戦に挑んでいる。人は人。自分は自分だ」と先のインタビューで答えている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください