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《FA大型補強に向け札束攻勢》阿部・巨人の“FA欲しい欲しい病”再発を懸念するOBたち「若い芽を摘む」「ビジョンが見えない」

NEWSポストセブン / 2024年12月3日 7時15分

 今季の岸田を中心にした3人体制は十分に面白かったと思う。もちろん、甲斐が岸田のカバー役になるなら最高ですが、そんな構想ではそもそも巨人に来ないでしょう」

 一方、巨人OBで投手コーチも務めた関本四十四氏は、「来季以降への危機感があるのは理解できる」と話した。今季、メジャーで世界一に輝いたドジャースは大谷翔平(30)を含むMVP級の戦力をかき集め、シーズン中もポストシーズンに向けた補強を重ねて勝ち上がった。

「そういう野球を見た日本のファンも、大型補強に必ずしも否定的ではなくなっていると思います。それに坂本勇人(35)や丸佳浩(35)ら主力が高齢化して、岡本は来オフにメジャー挑戦する可能性がある。キャッチャーについても来季は主力投手の菅野智之(35)がメジャーに流出し、“スガコバ”のコンビを組んだ小林は、打率2割前後で使いにくい。今季がキャリアハイの岸田もまだ143試合は任せられないし、大城も期待通りの打てるキャッチャーには育たなかった。そういう現実を直視することも大切です」

 ただ、その現状は“巨人が選手を育てられない”ことの証明でもある。1994年オフにヤクルトからFAで巨人に移籍し、巨大戦力のなかで出場機会が減る経験もした広澤克実氏は「当時は葛藤もあったが、今は巨人の野球も勉強できてよかったと思っている」としたうえで、巨人と他球団の違いをこう指摘した。

「僕が移籍した当時の巨人には人知れず練習できる室内練習場がなかったが、今は12球団で一、二を争ういい練習環境がある。にもかかわらず、他球団から『この巨人の選手が欲しい』という声が聞こえてこない。選手の育成に携わる人材が機能していないのです。

 二軍監督の桑田真澄氏が『こんなに練習して、なぜうまくならないんだろうね』と漏らしたと伝え聞きますが、そんなことを言ってはダメ。いくらFAで大物選手を獲っても、育成するコーチ陣がいないと常勝球団にはなれない」

 何より大切なのは、球団が「ビジョン」を持つことだと広澤氏は続ける。

「7年目の岸田が育ってきたのに甲斐を獲り、同時に4番バッターも獲りたいというのではビジョンが見えません。ピンポイントの補強ではないから、昔のような『FA欲しい欲しい病』が再発したと見られてしまう。経営や育成のしっかりした方針が見えてこないところに、問題の根源があるのではないか」

 ストーブリーグの“獲れた、獲れない”に一喜一憂するようでは、球界の盟主の復活は遠い。

※週刊ポスト2024年12月6・13日号

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