《売春させ、売り上げが落ちると制裁》宮城・柴田町男性殺害 被害者の長男の妻を頂点とした“売春・美人局グループ”の壮絶手口
NEWSポストセブン / 2024年12月13日 16時13分
敦子被告は直哉被告や、実姉の市瀬恵美(美人局詐欺で有罪判決)も巻き込み売春を行ない、リピーターを標的にして美人局詐欺をするようになった。Aさんにも売春をさせ、売り上げが落ちると制裁を加えていたという。敦子被告への借金返済に窮した元夫の松野新太とその妻、みき子(美人局詐欺や証拠隠滅でともに有罪判決)も加担するようになり、「敦子被告を頂点とする売春・美人局グループ」が形成されていった。
このグループの活動実態と役割分担については、敦子被告の元夫・松野被告が証人尋問で詳細に証言している。
「僕の妻のみき子が、男と会って、性行為する。僕は、えーっと、最後のほうは証拠の写真を撮ったりしていましたが、関わり出した2〜3年前ごろは、男性に対して『自分の嫁だぞ、旦那だぞ』と言って話をする役割でした。敦子の姉の市瀬恵美は、みき子が男性とホテルに入るとこ、出るとこ、ってのを写真で撮る。直哉も同じく写真や動画を撮っていた。敦子は基本的には配置で、皆に対して『ここで待ってて』とか『写真撮って』みたいなことを言う」(松野新太の証言)
妻に、他の男性と性行為をさせ、ホテルの出入りを親族らで撮影したうえで、別れ際に男性を問い詰めて金を要求するという流れである。松野新太によれば、全てを敦子被告が仕切っており、また男性に対して具体的な金の話をするのも、敦子被告とその夫の保彰だったという。
「僕が『夫だぞ』と相手に声かける場面のことを“囲み”と言っていましたが、そこで敦子や保彰は僕から引き継いで相手と話をする。保彰と敦子2人の場合もあれば、どちらか1人の場合もあった」(同前)
生命保険約2000万円、死亡後の退職金約700万円の大半が敦子被告に
直哉被告と保彰の母親であるAさんも、売春行為を行なっていた。「敦子に借金があり、返すためだと聞いていた」と松野新太は証言していたが、Aさん本人が尋問で語ったところによれば、実際は、敦子から「Aから母親に風邪の菌が移って大変な病気になってしまったから、その治療費と賠償金を払え」と言われたことがきっかけだったという。
売上が減少したり、化粧のノリが悪いといったことでAさんは敦子被告や保彰から叱責され、時に殴られてもいた。また敦子被告を頂点とするグループは、Aさんの再婚相手に対しても美人局詐欺を行ない、500万円を支払わせている。しかし、敦子被告らがその金銭を受領していたことを松野夫妻が知ったのは逮捕後だった。
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