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「シーズン中は成績低迷で眠れず、食欲も減った」DeNA筒香嘉智が明かす“26年ぶり日本一”の舞台裏 「嫌われ者になることを恐れない強い組織になった」

NEWSポストセブン / 2024年12月14日 11時13分

 筒香も5年ぶりに復帰したDeNAの変化を感じていた。

「先輩、後輩問わず、チームを意識した会話が増えたなとは感じました。個人成績は大事ですが、チームのことを考えられる選手が1人でも多い組織は強くなると思います。

 クワ(桑原将志)もそうですし、戸柱(恭孝)さんも若手のためにあえて厳しいことを言うときがありました。嫌われ役になってもいいからチームのために発言することはなかなかできることではないですし、チームの結束力がより強固になったと感じました」

 ソフトバンクに2連敗でスタートした日本シリーズも、選手たちが自発的に行った緊急ミーティングが流れを変えるきっかけになった。試合後に筒香、桑原、戸柱、柴田竜拓、神里和毅が話し合い、「このままじゃダメだ」と危機感を覚えて他の選手も巻き込んだ。

「3戦目の試合前に選手だけでミーティングを開き、思いをぶつけあいました。4戦目以降も自然に選手たちが集まり、試合前に話し合って。僕だけでなく、日本シリーズに出場した経験がある宮﨑(敏郎)さん、(山﨑)康晃、石田(健大)も話してくれました。日本一になったからという結果論ではなく、チームの雰囲気が明らかに変わったと思います」

 26年ぶりの日本一の瞬間、筒香が穏やかな表情で三浦大輔監督、選手、スタッフたちと抱き合っていた姿が印象的だった。

 視線はすでに来季に向けられている。チームは11月19日に秋季トレーニングを終えたが、「キャンプやオフに打撃の土台を固めるタイプ」だという筒香は、現在も午前中から打撃練習で打ち込んでいるという。

「ファンの方たちに少し恩返しできたかなと思いますけど、やっぱりレギュラーシーズンで3位だった悔しさがありますし、その現実は受け止めなければいけません。リーグ優勝して日本一を達成することが最も価値があることだと思います。個人的には迷惑をかけてしまいましたが、最後に良い感覚がやっと戻ってきたので来年が楽しみです」

(後編に続く)

◆取材・文/平尾類(フリーライター)

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