1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

《渡辺恒雄さん追悼》田原総一朗氏が明かす「安倍晋三・元首相も怖がっていた」素顔

NEWSポストセブン / 2024年12月23日 16時15分

 そうしたなかで1970年代、80年代に日本は、経済力で世界一の立場にありました。ジャパン・アズ・ナンバー1と言われていた。しかし米国は1980年代、経済が赤字になる。米国経済は悪化していったのです。そのなかで、レーガン大統領が、日本を潰せと言った。その後、構造協議などで歴代の米政権は日本経済を潰していった。

 そのレーガンの時代、日本では中曽根政権でした。その中曽根さんに僕は言ったんだ。『何で日本として、言うべきことを言わないのか』と。中曽根さんは『日本は米国から守ってもらっているから、残念だが抗議できないんだ』と説明するわけです。米国に言いたいのはやまやまだが、日本を守ってもらっている以上、それはできないのだと。

 これを何とかして変えられないか、それが渡辺さんの想いであり、そのために政治を強くしなければならないと考えていたわけです。

 日本が米国と対等になるには、日本が米国と闘っても勝てるぐらいの軍事力を持たねばならない。当然、核兵器も持たねばならない。それを阻んでいるのは日本国憲法であり、だから憲法改正をしなくてはならない。そのためには政治が強くならなければならない。その思いで政治に関与してきたのです」

石破首相に「情けない」と思っているのではないか

 渡辺氏が長く主筆を務めた読売新聞は独自の「憲法改正試案」を発表するなど、「憲法改正」を正面から社論に掲げている。

「同様に、日米地位協定も撤廃しなければならない。地位協定こそ、日米が対等ではないという関係の象徴的なものだったからです。そういう想いのなか、米国は姿勢を変え始める。世界の警察であり、パックス・アメリカーナだった。その体制維持を諦めるという方向に舵を切った。それはどんどん進み、バイデン大統領は日本の岸田文雄・首相(当時)に、西側の安全保障は米国一国では賄いきれないとして、日本に協力を求めてきた。それが今の防衛費増強の元になったことです。

 これで日本の発言力は高まります。渡辺さんの直接的な動きではないが、長年取り組んできたものが一歩前進しているという状態です。加えて来年からトランプ大統領になる。トランプはアメリカ・ファーストを掲げており、恐らくウクライナからも手を引くでしょう。この流れは、パックス・アメリカーナからの脱却をさらに強める。日本の軍事力にも頼る割合は高まります。渡辺さんの求めてきた、あるべき日本の姿の方向に動いているのです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください