清水美砂が明かす映画『海の沈黙』秘話 全身刺青女役で挑んだ“濃厚な大人の映画”「倉本聰先生はどこかで私の人生をなぞってくださったんだと思いました」
NEWSポストセブン / 2024年12月31日 7時15分
元日に90歳、卒寿を迎える倉本聰氏。同氏が手掛けた映画『海の沈黙』に出演した俳優・清水美砂が、とっておきのエピソードを明かす(文中敬称略)。
倉本が構想に60年を費やした映画『海の沈黙』。
「台本をいただいたとき、これはもう濃厚な大人の映画になると思いました」
そう語るのは、同作で“全身刺青”の小料理屋の女将・牡丹を演じた清水美砂だ。16歳で映画デビューした清水が本気で女優を目指すきっかけとなったのが、倉本が描いた映画『駅 STATION』(1981年公開)だという。
「劇中でいしだあゆみさんが高倉健さんと別れるシーンを見て、『こんな演技のできる女優さんになりたい』『こういう映画に出たい』と思ったんです。この作品が脳裏に焼き付いて離れませんでした。ですから、今回は構想60年の大作と聞いて、絶対に出たい、と台本も読まずに即答しました」
今作の牡丹の刺青は、圧倒的な才能を持ちながら画壇から抹消された主人公・津山竜次(本木雅弘)が施したもの。津山を慕う女性たちとの関係性や、美術の才能に対する男の嫉妬が描かれる。
「田村安奈(小泉今日子)やあざみ(菅野恵)といった女たちの、竜次に対する愛情や関わりがよく写し出されていた。言葉だけではない、大人にしかわからない感覚がギュッと詰まっている物語でした。観る人に“あなたはどう解釈するか”と問いかけてくる映画でもあったと思います」
清水が倉本作品に出演するのはドラマ『優しい時間』(フジテレビ系)以来、19年ぶりとなる。
「前回ご一緒したときにみんなで飲む機会があり、先生が『飲み屋の女性は明るく元気だけど陰がある』とお話しされて。今回の牡丹の役はそれに近いと私は思っていました。どこまでその陰影が深く表現できたかはわからないのですが、私の母が水商売をしていたこともあり、先生はどこかで私の人生をなぞってくださったんだと思いましたね」
【プロフィール】
清水美砂(しみず・みさ)/1970年9月25日生まれ、東京都出身。1987年に芸能界デビュー。1989年にはNHK連続テレビ小説『青春家族』でヒロインを演じて話題となり、日本アカデミー賞優秀主演女優賞など数々の賞を受賞。
取材・文/一志治夫
※週刊ポスト2025年1月3・10日号
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
藤竜也が明かす倉本聰ドラマ『やすらぎの郷』の舞台裏 「床から胸元まで達するほどの膨大な台本に圧倒されました」
NEWSポストセブン / 2025年1月2日 7時15分
-
元日で90歳になる倉本聰氏インタビュー「まだまだ書きたいことがある」衰え知らずの創作意欲と野望を語る
NEWSポストセブン / 2024年12月30日 7時15分
-
本木雅弘「日本のエキゾチシズム感じて」 主演「海の沈黙」がロッテルダム映画祭に出品
日刊スポーツ / 2024年12月23日 10時17分
-
「海の沈黙」ロッテルダム国際映画祭に出品 倉本聰、若松節朗、本木雅弘が喜びのコメント
映画.com / 2024年12月23日 8時0分
-
日本初の女性プロデューサー誕生70周年、水の江滝子プロデュース全29作品発売 石原まき子、浅丘ルリ子、和泉雅子、倉本聰からメッセージ
映画.com / 2024年12月22日 6時0分
ランキング
-
1TBS女子アナ退局報告ラッシュ…宇内梨沙、加藤シルビア、小倉弘子各アナが続々と年末年始に
日刊スポーツ / 2025年1月2日 18時37分
-
2東野幸治 2024年「完全に売れた」という意外な?タレント 佐久間宣行氏も共感「自分で言ってました」
スポニチアネックス / 2025年1月2日 20時3分
-
3東野幸治 ヒロミと若槻千夏がTVから消えたのち再ブレークした理由を語る「はっきり言います」
スポニチアネックス / 2025年1月2日 20時39分
-
4正月の顔「格付け」年始特番歴代2位タイの21・2%!全国3287万人が視聴 平均視聴は1696万人
スポニチアネックス / 2025年1月2日 16時13分
-
5やす子 フワちゃん騒動で初めて明かす事実「被害妄想しちゃった」「誰にも言えず落ち込んだ」
スポニチアネックス / 2025年1月2日 17時5分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください