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《布川敏和が語った還暦で『シブがき隊』再結成》解隊から36年「決定権はもっくんが握っている」「やっくんは同じ思い」の熱烈ラブコール

NEWSポストセブン / 2025年1月1日 15時58分

 おかげで、どんな現場でも物怖じしないで演じることができるようになりました。たとえば、厳しいことで知られる渡瀬恒彦さん主演の『世直し公務員 ザ・公証人』(TBS系)、『新・おみやさん』(テレビ朝日系)の現場。ピリピリと緊張感がありました。渡瀬さんは台本をきっちり頭に入れて現場に入り、無駄口を叩くのを嫌う方。僕も公園を歩きながら、車を運転しながら、必死にセリフを覚えて現場入りしました。

 渡瀬さんの長男・渡瀬暁彦さんはTBSのプロデューサーで、僕の息子・隼汰が大変お世話になっていました。そのお礼を一言、渡瀬さんにどうしても伝えたかった。でも、気軽には話しかけられません。ずっと機会をうかがい、2人きりになったタイミングを見計らい、ようやくお礼を伝えると、渡瀬さんはスッと立ち上がり「こちらこそありがとうございます」と、深々と頭を下げてくださいました。渡瀬さんってほんと、格好良い人でした!

「シブがき隊」の再結成は実現する?

 最近の僕も、俳優とタレントの両輪で活動させてもらっています。タレントとしてはBSのクイズ番組に出演したり、俳優としては、この2月に映画『神さま待って!お花が咲くから』が公開されました。本作は12年という短い生涯を、小児がんとたたかった実際の女の子の話。僕はその女の子のお父さん役を演じさせてもらいました。僕の末っ子・花音(かのん)も治療が難しい病を抱えて生まれ、家族で闘病した経験があるので、「これはオレが演じなきゃ」と気合いを入れてやらせてもらいました。

 俳優といえば、元「シブがき隊」のもっくんもがんばっていますよね。主演男優賞を総なめにした2008年の『おくりびと』も素晴らしかったけど、今、公開中の映画『海の沈黙』もすごい! 倉本聰さんの原作・脚本に、キャストに僕らの憧れだった小泉今日子さん、そして監督は若松節朗さん。これが僕には強烈だった。若松監督は僕と亀山さんの3部作を演出した監督なんです。このスタッフ、キャストで良い作品にならないはずがありません。

 もっくんはジャニーズ事務所に入ったときから演技をやりたくて、ジャニーズ事務所退所後は「シブがき隊」を封印し俳優としてのイメージをきっちり確立・管理してきました。僕のなかでは今も、一緒に暮らし、僕がファッションをコーディネートしてあげていたときの彼のままですけど、俳優としては到底追いつかない。『海の沈黙』でもきっとまた各賞を総なめにするでしょう。

 もっくんには俳優としての地位をじゅうぶん確立したのだから、「シブがき隊」の3人が揃う仕事もそろそろ考えてくれないかな(笑)。僕ら3人はもうすぐ還暦を迎えます。歌でなくても、映画でもドラマでもいい。3人揃って仕事をするなら、このタイミングじゃないですか。僕はずっと待っていてくれるファンに、3人揃った姿を見せてあげたい。

 僕が今あるのはファンのおかげですから。LINEで「誕生日おめでとう」とやり取りしているやっくんも、僕と同じ思いだと思います。決定権はもっくんが握っている。彼が言い出してくれないと始まらないので、ぜひ連絡を待っています!

(第3回に続く。第1回を読む)

取材・文/中野裕子(ジャーナリスト) 撮影/山口比佐夫

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