《元ギャルモデルの小森純が華麗なる転身》タレント全盛期は「全部自分の手柄と思っていた」現在はネイルサロン経営で全員が正社員「周囲に感謝の日々」
NEWSポストセブン / 2025年1月6日 10時58分
そうしたら、すごい気分が変わって、育児は超がんばれるし、自分も洋服買ってお肌のケアに行きたいな、と思えるようになって。ネイルってすごい!と思い、数カ月後にはネイリストになるための学校に通い始めました」
長男は幼稚園の年少だったが、次男は一時保育にあずけながら、1日2~3時間の授業を1年半ほど受け、JNEC(公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター)主催のネイリスト技能検定試験1級に合格。晴れてネイリストとなった。
「ネイルって、髪やメイクと違って、鏡がなくても自分で見ることができるじゃないですか。パッと目に入って、テンションをすぐに上げてくれる美容なんですよ。かつ、リーズナブルだから、行きたいと思ったらすぐに行ける。
ネイルって、この小さなスペースに、いろんなものを詰め込むことができるのも魅力。たとえば、推し活が流行ってる今だったら、好きなアーティストさんのライブに行くときに、そのアーティストさんのメンバーカラーを使ったりして楽しめるんです」
ネイルサロン好調の背景
魅力あふれる美容業界だが、ネイルサロンは開業1年でつぶれてしまうお店が60%、3年では90%にもなるという厳しい世界。生き残るには差別化は必須だ。
「1号店をオープンする前に、この界隈のネイルサロンは何系をやってて、何系はやっていないか、足を使って調査しました。そうしたら、当時、出始めたばかりのニュアンスネイル(曖昧な色の変化などを感じさせるネイルデザイン)をやっている店があんまりなかった。じゃあ、それに特化しよう、って思って始めました」
それが順調な滑り出しができた理由のひとつだったようだ。
「最初の半年くらいは赤字でしたよ。お客さんが来てくれるようになるまで、社員の給料と広告費が出ていくばっかりでしたから。広告は『ホットペッパー』とかインスタとか」
意外や、コロナ禍を堪え忍んだたことで、勢いがついたという。
「ウチは2カ月ぐらい休業した期間も、家賃を払い続けたから大変でした。でも、それを乗り越えたら、コロナで閉じたお店のお客さんが流れてきた、っていうのはありますね」
今後は会社をどんどん大きくしようと考えているのだろうか。
「いやいや、目の行き届く範囲でやりたいんです。商品開発はやっていますけど。ベースジェルの開発はもう1年半ぐらい続けていますし、小学生向けの小さいネイルチップの販売とかも考えています」
ギャルモデルとして人気を獲得し、テレビでも活躍した小森さん。実業家としても好調だ。うまくやってこられた秘訣は何なのだろうか。
「自由な私を受け入れてくれる『Popteen』の編集の方々や、使ってやろうと思うテレビ局の方たちに、たまたま出会えたからじゃないですか。実力とかじゃなく。
テレビに出て忙しくしていた頃は、うまくいったら全部自分の手柄、と思ってしまっていたんだと思います。当時は休みはないし、寝る時間もないほど忙しくて、自分のことで精一杯。目の前の仕事を一生懸命やることしかできなくて、周りを気遣う余裕がなかったからそう思っていました。今は周りを気遣う余裕ができて、考え方が変わりました」
考え方が変わったのは、小森さんの根っこに親や祖母の教えがあったからだという。
「高慢にならないように、周りに感謝しなさい、とことあるごとに言われていました。今は自分自身より、親とかスタッフとか周りの人たちの人生を豊かにしたい、と思っています」
(第3回に続く。第1回を読む)
取材・文/中野裕子(ジャーナリスト) 撮影/山口比佐夫
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