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【玉木雄一郎氏独占インタビュー】自民党税調の“インナー”だけで税制が決められてきた実態が政治不信の源「大事なのはオープンに物事を決めていくこと」

NEWSポストセブン / 2025年1月6日 6時59分

自公国の税調会長の初協議(時事通信フォト)

 昨年の総選挙では、自民・公明の与党が過半数を割った一方で、玉木雄一郎氏率いる国民民主党が躍進を遂げた。夏に参院選を控える2025年も、玉木氏が“政界に嵐を巻き起こす男”となるのは確実だ。日本政治にどのような変革を起こすつもりなのか。玉木氏への独占インタビュー第3回では“当事者の声”に耳を傾ける姿勢について聞いた。【全3回の第3回】

立ちはだかる自民党税調の「インナー」

〈玉木氏は登録者数53万人の「たまきチャンネル」、フォロワー数68万人のXなどのネットを通じた情報発信に積極的だ。ネット上でも「当事者の声」に多く触れようとしている。〉

 いわゆる政治版のソーシャル・リスニングです。数千人の話を直に聞くのは難しいですが、ネットを利用すればできるようになった。代表質問や党首討論の前に「あなたの代わりに総理に質問します。声を寄せてください」と募集すると、3000~4000の投稿がすぐに集まります。

 制度等に詳しい政治家や役人がいいと思って進めた政策でも、制度の隙間に落ちる人はたくさんいる。しかもそのことは当事者にしかわかりません。既存の政党が業界団体からの陳情を受けるやり方では、そうした「当事者の声」は政治に届きにくい。これからは、ネットやAIも駆使し、国民の声をスピーディに集められる政党が生き残っていくでしょう。

 都知事選や兵庫県知事選などを見てもわかるように、2024年は、ネットを通じて国民が積極的に選挙や政治に関与し始めた年でもあります。その変化を受け止められる政治なのか、政党なのかが問われています。

 ネットを通じた政治参加は、若者だけのものではありません。全国を回ると「動画を見たよ」と声をかけてくれる60代、70代の方が増えています。

 以前は私の選挙区でも「(国民民主の政策は)年寄り切り捨てじゃないか」と誤解されていましたが、「若い世代を応援しよう」というわれわれの政策の意味を、高齢者の皆さんも理解してくれるようになってきました。

 現役世代が高齢者を支える現在の社会保障制度では、若い世代の力が強くなければ、年金が減り、医療介護のサービスも悪化します。高齢者に少し配分が偏っている予算や税、社会保険料のあり方を、若い人も頑張れば報われるような形にしておかないと、結局、高齢者自身が厳しくなる。それを丁寧に説明するのは、やはり政治の責任です。

 100点満点の最強の政策がない以上、大事なのはオープンに物事を決めていくことです。

 自公との政策協議では宮澤洋一・自民党税調会長が“ラスボス”のように立ちはだかりました。この国の税制については、自らを「インナー」と呼ぶ自民党税調の数名だけで決めてきた実態があります。国民の懐に関わる税の話なのに、多くの自民党議員すら関われなかった。そのことが、不信感の源になっています。

 国民の負担となる税について一定の理解を得るには、開かれた場で徹底的に議論して、その決定過程を国民に開くことが重要。「103万円の壁」の政策協議を通じて、それがオープンにされただけでも大きな意義がある。

 2025年は、小さな野党の一議員、一党首を超えた責任、さらに言えば、世界に対する責任感を自覚して、より研鑽を積みたいと考えています。

(第1回から読む)

※週刊ポスト2025年1月17・24日号

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