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《頭部がたくさん並んでいるよ》“ご献体”前でピース写真の女性美容外科院長が解任 主催者が反論していた「ボカシが入っていたら問題はない」主張への違和感

NEWSポストセブン / 2024年12月28日 7時15分

物議を醸した一連の投稿(現在は削除済み、画像は編集部で一部加工しています)

〈いざfresh cadaver(新鮮なご遺体)解剖しに行きます!!〉〈頭部がたくさん並んでいるよ(ニコニコマークの絵文字)〉──献体前でピースをして写真を撮り、SNSにアップして炎上した黒田あいみ医師。東京美容外科は、沖縄院院長であった黒田氏を12月30日付で「解任」することを公式サイト上で発表した。

 問題の投稿は、グアムでの解剖研修の場面が撮影されたもの。写真の一部にボカシは入っていたものの、人体の頭部が並んでいる写真は見た者に衝撃を与えた。一連の騒動を受けて、黒田氏は投稿を削除。自身のブログに謝罪文を掲載していたが、NHKが〈解剖現場でピース 医師が投稿し謝罪「人としての倫理観欠如」〉と報じる事態にまで発展。SNSでは、臓器提供を拒否する声が多数あがるほどに波紋が広がっていた。

 東京美容外科統括院長・麻生泰氏は騒動が勃発した当初、Xで〈この写真は、アメリカで解剖している事ですので、日本ともルールが異なります。投稿は既に削除されております。この事で臨床医師が解剖できる火が消えませんように願います〉などとコメントしていた。

 が、騒ぎが広がった12月27日には一転、こう投稿して謝罪の意を表した。

〈グアム大学解剖セミナーにおける当院医師の不適切な投稿がございました。あらためて深くお詫び申し上げます。御献体をしてくださった方々への敬意が明らかに欠けておりました。本当に申し訳ございませんでした。心からお詫び申し上げます〉

 麻生氏は重ねて、遺族や献体を検討している方、医療関係者に対する信頼を失墜させたことを謝罪したうえで、〈倫理面の教育を徹底してまいります〉とコメント。その同日に黒田医師の解任を発表する形となった。

「医師の間では違和感はありません」

 この問題をNEWSポストセブンが報じた12月23日には、グアムでの解剖研修会を主催していたインディアナ大学医学部にあるCSAC-IU事務局に取材していた。当時、事務局長は、写真投稿に関する一連の批判についてこう反論していた。

「日本ではフレッシュの献体を扱うことができないので、こうした海外での研修がある。解剖室で写真を撮ることはあります。我々が内部で共有するぶんにはご献体の顔などにぼかしは一切入れませんが、ぼかしが入っていたのなら、問題はないでしょう。

(倫理観が欠如しているという指摘については)一般の方からはそう見えるかもしれませんが、手術の様子の写真を一般の方々が見て嫌悪感を示すのと同じで、医師にとってはごく当然のこと。

 個人のSNS投稿は我々事務局が規制することはできませんから、そこは各々の医師のモラルの問題になってくる。(「頭部がたくさん並んでいるよ」という文言については)それも医師の間では違和感はありませんし……医師のレベルを上げるためにこういった研修会があるわけで、それを他の医師に共有すること自体はいいことでしょう。こちらの事情を無視した反論は、的外れです」

 ただ、ほとんどの一般の人に加えて、多くの医師たちからSNS投稿への「違和感」が表明されたのは事実だろう。一部の医師の承認欲求によって献体や臓器提供をする人が減り、医療が後退する事態となることは避けなければならない。

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