中居正広の深刻トラブルに全く触れないテレビ局 ジャニー氏性加害問題で反省したはずなのに…騒動が風化するのをじっと待つ“不誠実”
NEWSポストセブン / 2025年1月7日 16時15分
お笑い芸人ばかりがテレビ画面を占拠した年末年始。一方で、中居正広(52)の深刻な女性トラブルに迫ろうとするテレビ局はなかった。
本誌『女性セブン』2024年12月19日発売号が、中居が直面する深刻なトラブルを報じてから約1週間。第一報を伝えて以降、騒動の余波は広がり続けている。中居の出演番組が収録中止などに追い込まれ、中居をCM起用する企業にも動きが出始めた。ソフトバンクは彼が出演するCM動画を公式サイトから削除した。
12月27日に中居は自身の有料サイトに謝罪文を掲載したものの、テレビ局は、関西ローカルの情報番組『す・ま・たん!』(読売テレビ)がトラブルを短く報じただけで、一様に沈黙を守っている。同志社女子大学教授でメディア評論家の影山貴彦氏が指摘する。
「中居さん側がコメントを発表したにもかかわらず、彼を起用するテレビ局が沈黙を貫くのは、あまりに不誠実ではないでしょうか。事情が見えないにせよ、局としての見解や、中居さんがかかわる番組をどうするかは発信すべきです。いまの状況は中居さんに対するテレビ局の忖度と受け止められても仕方ありません」
特に違和感を覚えるのは、トラブルに社員が関与したとされるフジテレビの対応だろう。
「トラブルが発生したとされるのが2023年6月。フジテレビはその後、トラブルの発端となった飲み会に出席予定だったとされる社員らに聞き取りを行うなど、トラブルについて調査していたと思われます。
そうでなければ、今回、『女性セブン』や『週刊文春』の報道に“社員は関与していない”とすぐに否定できないはず。つまり彼らは早い段階で中居さんの女性トラブルを把握していたにもかかわらず、スポンサーのついた冠番組のMCとして、中居さんを起用し続けていたことになります」(テレビ局関係者)
冠番組とは、トラブルが発生する約2か月前にスタートした『まつもtoなかい』(フジテレビ系)。ダウンタウン・松本人志(61才)とのタッグが話題を呼んだが、松本が『週刊文春』が報じた性加害疑惑の裁判に注力するかたちで昨年1月に同番組を降板した。
番組は2月以降も嵐の二宮和也(41才)やムロツヨシ(48才)をMCに迎え、『だれかtoなかい』にリニューアルして継続。だが昨年12月に、各メディアが同番組の今年3月いっぱいでの放送終了を報じた。中居のトラブルを把握しながらも継続した番組の終了からは、フジテレビの思惑が見え隠れするという。
「中居さんの女性トラブルに関する噂が立ち始めたのは、昨年の秋頃でした。業界内に噂が広まり、他局でも彼の女性問題が水面下で調査される事態に発展した。フジテレビはトラブルが表面化する可能性が高まったと判断して、大事になる前にひっそりと幕引きを図ったと捉えるテレビ局関係者も少なくないんです。このタイミングなら、『春の改編に合わせた番組終了』と言い逃れできますからね」(前出・テレビ局関係者)
フジテレビはどう認識しているのか。フジテレビへの取材では、そもそも中居のトラブルについて「フジテレビは把握していたのか」と尋ねたが、質問に対する明確な回答はなかった。
「上層部から待ったがかかった」
かつて中居が所属した旧ジャニーズ事務所は、2023年3月のBBCの報道をきっかけに、創業者である故・ジャニー喜多川氏による性加害問題に揺れた。同年8月、外部専門家による再発防止特別チームは、40年以上にわたる性加害を認定する一方、この問題を「メディアが正面から取り上げてこなかった」として、「マスメディアの沈黙」が事件を拡大させたと指摘した。
これを受けて民放5社とNHKは声明を発表。《ご指摘を真摯に受け止めております》(フジテレビ)、《指摘を重く受け止め、今後ともかかる取り組みを真摯に続けてまいります》(テレビ朝日)などと襟を正したはずだった。
日本民間放送連盟の遠藤龍之介会長(フジテレビ副会長)も同年9月の定例会見で、「(ジャニー喜多川氏の行為が)性加害であり、重大な人権侵害であるという認識を民放を含む多くのメディアが充分に持てなかったことは事実で、反省しなければならない」と語った。さらに「マスメディアの沈黙」に触れてこう続けた。
「人権に関する認識が不足したまま、なんらアクションを起こさず、相手とビジネスを続けたということ。今後このようなことを繰り返さないようにしなければならない」
中居騒動についても自局の番組に出ているからという理由で“見て見ぬふり”をして、「なんらアクションを起こさず」いるのであれば、それは同じ過ちを繰り返すことにならないだろうか。
「双方で和解済みとの解釈に加え、密室で起きたことは当事者以外にはわからないというのが“沈黙”を決め込む各局の言い訳です。フジテレビではないキー局が『中居騒動』に踏み込む内容を現場が報じようとしたところ、上層部から待ったがかかったという話もある。
騒動が過熱して中居さんが休業でもしようものならいま以上に大騒ぎになり、スポンサー離れが進む恐れがあります。だからテレビ局は騒動が風化するのをじっと待っているのでしょう」(芸能関係者)
前出の影山氏はテレビ局の報道姿勢に釘をさす。
「ジャニー氏の性加害問題同様、嵐が過ぎ去るのを待つようなテレビ局の後ろ向きの姿勢は問題で、あらぬ噂や臆測を招きかねない。各局とも、視聴者に向けた誠実な対応が望まれます」
“異様な静観”はいつまで続くのだろうか。
※女性セブン2025年1月16・23日号
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