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《停戦合意を前に19歳女性の人質動画を公開》ハマスが450日にわたり拉致・監禁「性奴隷」と呼ばれ…深刻な肉体的苦痛の実態「もう私たちが知っている彼女ではない…」

NEWSポストセブン / 2025年1月8日 6時30分

450日以上にわたって拘束され続けているリリー・アルバグさん(イスラエル大使館の公式Xより)

 パレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放に向けたイスラエルとイスラム組織ハマスによる協議で、ハマス側が人質34人の解放に同意したことをAFP通信などが報じた。ただイスラエルは、解放される予定の人質のリストがまだ提示されていないとして、慎重な態度だという。

 人質の解放に同意を示す直前、ハマスは、19歳のイスラエル人女性の映像を公開していた。その女性、リリー・アルバグさんは2023年10月7日にガザへと連れ去られ、450日以上にわたって拘束され続けている。

「約3分半の映像の中で、アルバグさんは、『(監禁生活は)死と隣り合わせだった』と涙し、『私はあなたたちをとても愛している。あなたたちがいなくて、とても寂しい』と家族に語りかけました。また、イスラエル政府に救助を懇願しています。

 アルバグさんの家族が声明を出し、『この映像は、私たちの知るリリーではありません。彼女は深刻な身体的、そして精神的苦痛を味わっている』と彼女の憔悴ぶりについてコメントしています。そのうえで、。『リリーは生きているし、生きて帰ってこなければならない』と訴えました」(国際ジャーナリスト、以下同)

衝撃を与えた音楽フェスから1年以上

 2023年10月7日、ハマスの戦闘員はイスラエル南部で行われていた音楽フェスなどを急襲した。現地の阿鼻叫喚の惨状をとらえた映像などがネット上で拡散され、特にドイツ系イスラエル人女性のシャニ・ルークさん(享年22)が裸に近い状態で連行される映像は世界中の人々にショックを与えた。

 この大規模攻撃による死者数はおよそ1200人とされているうえに、民間人への性暴力疑惑もある。ハマス側は疑惑を否定しているが、国連の専門家チーム昨年3月、「少なくとも3か所で性暴力が行われたと信じるに足る根拠が見つかった」と発表した。

 大規模攻撃の中で251人が拉致され、そのうち96人が今も人質に取られているとみられる。九死に一生を得た元人質たちが、メディアに対して、地獄の監禁生活について証言している。

「イスラエル人で弁護士のアミット・スーサナさんは、ハマスの元人質として初めて性被害を公表しました。ある朝、ムハンマドという男に指示されて、スーサナさんがシャワーを浴びていると、いつのまにかムハンマドが銃を持ってバスルームに立っていたといいます。スーサナさんは必死に抵抗したそうですが、何度も殴りつけられて性被害にあったことを告白しています」

「下劣な犬」「性奴隷」と呼ばれて

 以前公開された人質たちの映像にもアルバグさんは登場していた。

「アルバグさんは、国境を監視するための非武装のスタッフとして活動しており、基地にいたところをほかの10代の仲間とともに誘拐されました。過去の映像に、両手を後ろで縛られた状態で地面に座らされ、うつろな表情をしたアルバグさんが映り込んでいます。

 一緒に拘束された若い女性たちは流血しており、戦闘員たちはアルバグさんらを“下劣な犬”や“性奴隷”などと呼んでいます。現時点で、アルバグさんはまもなく解放される人質のひとりになると予想されています」

 ハマスに非難が集まる一方で、イスラエルによる民間人を巻き込んだ空爆への国際的な批判も高まっている。ガザの保健当局によると、イスラエルの攻撃による死者数は4万5000人を超えるという。

 終わらない悲しみと苦しみの連鎖。今度こそ停戦は実現するのか──。

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