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マツコも衝撃《春巻き1000種類以上食べ歩いた男》“ハルマキスト”が行き着いた至極の味、「どの食材をも包み込む皮は食べられる最高の調理器具です」

NEWSポストセブン / 2025年1月22日 7時15分

──食べられる調理器具!? どういうことですか。

「春巻きの皮にソーセージとチーズを巻いて、油をほんの少しフライパンに垂らす。丸々揚げなくても、揚げ焼きみたいな感じでじっくり焼くだけで、おつまみにもなるご馳走です。あと、千切りキャベツにしらすをちょちょっとかけて、レモン汁をつけて巻くだけでも、めっちゃうまいんです。はんぺんと塩昆布、チーズとか、それだけでいいんです。水でといた小麦粉で皮をくっつける作業が手間と思われがちですが、巻いた端の部分をフライパン側につけて焼けば、自然と皮同士がくっつきます」

──なるほど。これまで1000種類以上食べた中で、忘れられない春巻きはありますか。

「たくさんありますが、最近、印象に残っているのが東京の大塚にある『地酒や もっと』で食べた『鮎のコンフィ春巻き』ですね。丁寧におろした鮎を丸ごと包んだ春巻きで、焦がし醤油を粉末にした調味料と丸ごと口に入れた瞬間、パリパリ感と鮎のほろ苦さ、鮎本来の甘みが一気に広がる。コンフィされた鮎を皮で包んでゆっくりと丁寧に揚げることで、よりうま味も出てくるんですよね。普通の塩焼きよりも味わい深い鮎が楽しめます」

──春巻きの概念を覆す絶品ですね。

「まだあるんです。武蔵小山にある『春巻き専門店 はるまきバトン』の『牛すき焼き春巻き』はすき焼きだけに生卵がディップできるんですけど、一般の方は丸ごと春巻きをつけがちなんです。でも、ここで春巻きを美味しく食べられるテクニックがあります。小さなスプーンで春巻きのあんに垂らしてください。

 なぜなら、タレはできるだけ皮にかけない方がパリパリ感をキープできるからです。

 北海道にある『ごはんやはるや』の『エビと根菜の春巻き』も、皮にまぶされている塩がまろやかで甘みと塩っけのバランスが絶妙です」

──ところで、春巻きにご飯って合いますか?

「春巻きは味が濃いのでご飯によく合いますよ。恵比寿にある『どんく』の春巻き定食はスープも美味しい。タルタルソースをかけ放題で、味変ができるチキン南蛮定食ならぬ“春巻き南蛮定食と言っても過言ではないですね。春巻きそのものの味を楽しんでほしいですけど、それはそれで楽しさが広がります」

──“ハルマキスト”として今後の抱負を教えてください。

「春巻き専門店のまずは全国制覇です。今は350軒くらい行ってますけど、北陸発の専門店『はるまき家』や大阪の『おにぎりとはるまき きよし』、福岡の『博多春巻き いおり』も行けていません。

 中華料理以外のジャンルのお店にも、春巻きは存在します。たとえば和食料理店では、貝のうまだし春巻きがあります。全国にはまだ出会ったことのない春巻きがどんどん出てきています。最終的には春巻きの全国マップを作ることが僕の夢です」

◆取材・文/千島絵里香(ジャーナリスト)

【プロフィール】

久松知博(ひさまつ・ともひろ)/1981年生まれ。25歳から構成作家となり、現在、テレビの情報番組やラジオなどを担当。幼少期からの春巻き好きがきっかけで「ハルマキスト」として、雑誌やウェブメディアで春巻き情報を配信中。

Instagram ハルマキスト 久松知博(@otomo6969) 

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