《石丸新党が目指す斬新な選挙戦》“選挙の神様”は協力要請を辞退「石丸さんは従来の選挙とは違った手法で展開しようとしている」
NEWSポストセブン / 2025年1月19日 7時15分
東京都知事選で選挙のあり方に一石を投じ、「石丸現象」を引き起こした“ネット選挙のトリックスター”こと石丸伸二氏が新党「再生の道」を立ち上げ、今年夏の東京都議選に挑むと表明した。
「政治屋を一掃したい。当選したら2期8年を上限とする。それ以外の縛りはありません。私は出馬しません」
1月15日の新党発足会見で石丸氏はそう語ったが、直前に起きたのが会見ドタキャン騒動だ。もともと会見は都庁記者クラブの主催で予定されていたが、日時と場所がネットに流出したことから、石丸氏が「誰が来るかわからない状況は種々のリスクが高いと判断しました」(Xでの説明)という理由で中止し、改めて石丸後援会の主催で入場者をチェックできる形で開かれたのだ。ネット世論の影響力の大きさとリスクをよく知る石丸氏らしい“危機管理”が働いたようだ。
石丸氏といえば、広島県の安芸高田市長を辞任して昨年7月の東京都知事選に出馬。当初は泡沫候補と見られていたが、あれよあれよと支持を伸ばし、街頭演説をすれば人だかりができ、立憲民主党の蓮舫氏を上回る約166万票を獲得(次点落選)して“石丸現象”と呼ばれた。
その手法は徹底したネット選挙。ネットでボランティアを集め、パソコンの扱いに長けた支援者が、どの地域の掲示板にポスターを貼れているかがわかるソフトをつくって、都内1万4000か所の掲示板に素早く貼り終える機動力を見せつけた。
“選挙の神様”と呼ばれ、都知事選で石丸氏の選挙参謀を務めた選挙プランナーの藤川晋之助氏も、「これほど選挙ツールとしてのネットの威力を見せつけられたことはない」と驚くほどだった。その石丸氏が、今度は新党を結成して都議選に複数の候補を立て、より組織的なネット選挙の“実験”に挑戦しようというのだ。
「石丸新党は今までにない選挙運動をやるつもりだ」
「選挙が大きく変わるかもしれない」
そう語るのは藤川氏だ。石丸新党には藤川氏の右腕として知られる選挙プランナーが参加している。
「私が石丸さんから協力を要請されたのは事実だが、断わりました。うちができるのはあくまで従来型の選挙です。数か月にわたり事前に準備を重ね、選挙の公示までにできることをすべてやる。そういう仕事です。しかし、石丸さんは新党で従来の選挙とは違った手法で今までにない政治、選挙を展開しようとしている。私たちにその選挙の手伝いが出来るかどうか分かりません。だから私の代わりに、右腕だった選挙プランナーを移籍させました。石丸新党がどんな選挙戦をやるのか注目しています」
“選挙の神様”でさえ参加に二の足を踏むような斬新な選挙戦になりそうだ。どんな選挙を展開するかについて、石丸氏は会見で多くを語らず、こんな言い方をした。
「党としての政策はない。地域の候補者各人に任せる。私は今回、その選挙装置を置くだけ。これは東京に限らず地方でも実施できます」
その選挙戦の末に、石丸新党は都政を変えるインパクトを残せるのか。
※週刊ポスト2025年1月31日号
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