投手・大谷翔平、2度目の肘の手術を経て誕生する新たな投球スタイル 以前とは違った変化の“新スイーパー”を軸に組み立てへの期待、打撃専念シーズンの好影響も
NEWSポストセブン / 2025年1月21日 11時15分
2024シーズンは前人未到の「50本塁打、50盗塁」を達成し、DHではメジャー史上初となるシーズンMVPを獲得したドジャースの大谷翔平(30)。今シーズン期待されるのは、マウンドで躍動する姿だ。2度の肘の手術を経た大谷はどんな新しい投球スタイルを見せてくれるのか。
2023年9月に受けた2回目の右肘の手術から約1年半──ドジャース・大谷翔平(30)が、投打の二刀流をついに復活させる。
脱臼で痛めた左肩を2024年11月に手術した影響で、3月に日本で開催される開幕シリーズでは打者に専念する見込みだ。デーブ・ロバーツ監督も「5月まで投げさせないつもり」と明言。二刀流の解禁は6月以降と見られる。
1月7日には、大谷がロス近郊のマラナサ高校で投球する動画をドジャースの専門メディア「ドジャース・ネーション」がSNS上にアップ。2歩ほど勢いをつけて右腕を思いっきり振って投げ込むなど、投手復活に向けて順調にリハビリを続けているように見える。
日本スポーツ協会公認スポーツドクターで、古川整形外科医院院長の古川泰三氏が解説する。
「手術でメスを入れた部分は正常な筋肉も変性する可能性があります。1回目よりも2回目のほうがより厳しいトレーニングを積むことになる。その一方で、リハビリによる全身コンディション(柔軟性、筋力など)の改善やフォームの矯正によりパフォーマンスが上がるケースも少なくありません」
1983年当時タブーとされた右肘のトミー・ジョン手術を受けた村田兆治氏(故人)も、かつて「週刊ポスト」の取材にこう語っていた。
「靱帯がもう一度切れたらどうしようという不安が常につきまといましたが、投げる時に肘が下がらないように意識したり、肘の角度を注意して投げることでフォームがよくなった。投げ方が改善されて球速が速くなったと感じたこともあります」
1回目の右肘靭帯移植手術で投球内容が一変
2018年オフに1回目の右肘靭帯移植手術を受けた大谷は、2021年に投手として復活すると投球内容が一変した。
「ストレート中心でスプリットを武器に三振の山を築いていたのが、手術後は“魔球”と称されたスライダー系の球である『スイーパー』を中心にカットボール、シンカー、カーブ、スプリットなど多種多彩な変化球を武器にするようになりました。そのうえ変化球の球速が伸び、与四死球率が下がるなど、投手としてステップアップした姿を見せた」(メジャー担当記者)
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