《タイトルホルダー・今井達也が参加》「凄腕トレーナー」主宰合宿の「競技の枠を超えた相乗効果」
NEWSポストセブン / 2025年1月23日 16時15分
2月1日のキャンプインを目前に、プロ野球選手たちの自主トレにも熱がこもっている。アスリート・コンサルタントの鴻江寿治氏が主宰する合宿には、野球に限らず、ソフトボール、ゴルフ、陸上競技などのトップ選手が参加した。球団の枠のみならず、競技の境目も超えてアスリートが集う背景には、鴻江が独自に導き出した「体の動かし方の極意」にあった。(文中敬称略)
鴻江が運営する「鴻江スポーツアカデミー」主宰の合宿は、毎年1月に福岡県内で行われる。
今年は昨シーズンのパ・リーグ奪三振王の今井達也(26才)、昨年のプレミア12で中継ぎとして大車輪の活躍を見せた隅田知一郎(25才、ともに埼玉西武ライオンズ)をはじめ、種市篤暉(26才、千葉ロッテマリーンズ)、田嶋大樹(28才、オリックス・バファローズ)ら、各球団の主戦級投手がズラリ。
野手では柿沼友哉(31才、千葉ロッテマリーンズ)が参加し、さらに、ソフトボール界のレジェンド・上野由岐子(42才、ビックカメラ高崎)、女子ゴルフ黄金世代の1人で昨年4月のパナソニック・オープンを制したプロゴルファー・天本ハルカ(25才)、昨年2月の日本選手権クロスカントリーを制した陸上女子長距離の酒井美玖らの姿もあった。
合宿の目玉は、毎日午前中に行う「茶畑ランニング」だ。「八女茶」の産地として知られる八女市内にある茶畑の、約1kmのゆるい下り坂をトップスピードで駆け降りる。鴻江がその狙いを明かす。
「下り坂では、自然と限界以上のスピードが出ます。すると筋肉の可動域が拡大し、ポテンシャルを呼び覚ますことができるのです。可動域が広がれば、体のバランスも鍛えられる。個々で取り組まずにみんなで一斉に行うのは、トレーニング強度が上がると同時に、苦しさを乗り越えられる効果があると思っているからです」
かつては、千賀滉大(31才、ニューヨーク・メッツ)や今永昇太(31才、シカゴ・カブス)、菅野智之(35才、読売ジャイアンツ→ボルチモア・オリオールズ)らもこの合宿に参加し、球界を代表する選手へと成長して海を渡ることになった。それが、アスリートの“虎の穴”と呼ばれる由縁だ。
球界からの参加希望者多数で、泣く泣く「お断り」も
評判が評判を呼び、今年は40人近い参加希望が鴻江のもとに寄せられたが、合宿の規模の関係から、泣く泣く断らざるを得なかったという。それほどまでに、トップアスリートが鴻江の教えを仰ごうとしているのだ。
今井は次のように語る。
「鴻江先生の指導を受けるようになってから、ストレートの質が良くなったと感じています。球速が上がったので、その分スライダーもバッターに対して効果的に投げられるようになりました。
評判の下り坂ランニングも、年を追うごとに疲労感を感じなくなっています。体を正しく使い、ムダを省けているのかなと。その感覚は、長いシーズンを投げる上でも大事になってくると思います」
今年が3回目の参加となった隅田が続ける。
「去年、プレミア12が終わったタイミングで自分の身体を測定しに行って、そこで出た数字で見える課題をつぶしてきました。この合宿には、目に見えない感覚的な部分をプラスアルファするために来ています。
球場によって、マウンドの硬さって結構違うんですよ。にも関わらず、同じような体の動かし方のイメージで投げようとしたら、ケガにつながるし、当然パフォーマンスにはばらつきが出ます。鴻江先生とは、どんな状況でも一定の高いパフォーマンスを出すために、状況に応じてどう体を使っていくか、という話をしています」
隅田は、競技の壁を越えて上野から金言を得ていた。
「最初は、『他競技のトップ選手』という認識でした。野球は上から投げますが、ソフトボールは下から投げますから。でも、反対のことをやっているようで、実は動くイメージは一緒です。それを教えてもらいました。
上野さんからは、“100のパフォーマンスを出すために、60は自分の力で、40は地面から力をもらう”という話がありました。そうすれば長いイニングを投げられるし、“勤続疲労”もなくなって効率よくシーズンを戦うことができます。それをするために、どう体を使うか、動かすかという話を上野さんとしました。ただ、どこか1か所直せばいいわけではないですし、全部が全部つながっているので、すごく話が長くなるんで詳しくはやめておきます(笑い)」
合宿中、競技の枠を超えてアドバイスし合う様子もそこかしこで見られた。その相乗効果がこの合宿のもつ大きな意味の1つなのかもしれない。
アスリートがこぞって取り入れる理論を一般化
トップアスリートが押し寄せる背景には、鴻江が独自に編み出した「体の動かし方の極意」を得られる貴重な機会であることが挙げられるだろう。鴻江は、2006年の第1回、2009年の第2回WBCをはじめ、2021年東京五輪では女子ソフトボール代表チームに帯同した経験を持つ。20年以上にわたってアスリートと対峙して作り上げたのが、人の体を「うで体」と「あし体」の2タイプに分類する独自の「鴻江理論」だった。鴻江は「うで体」「あし体」について、次のように説明する。
「簡単に言うと、うで体は猫背型。あし体は反り腰型です。
よく、“体のバランスを整えよう”と言われたりしますが、私に言わせると、人は誰でも体の歪みを持っています。猫背か反り腰かという以外にも、具体的には、うで体は右肩が下がっており、右の腰が少し前に出ている。逆に、あし体は左肩が下がり、左腰が前に出ています。
こういった歪みがあるのは普通のことで、決して悪いことではありません。大事なのは、自分がどちらのタイプか知り、タイプに合った体の動かし方をすることです」
もちろん、人によって程度の違いはあるが、タイプによって運動時に気をつけるべきポイントがあり、合わない動かし方をしていると、アスリートはパフォーマンスが上がらないだけでなく、ケガや故障につながるリスクもある。
そして、その考え方は、一般の人にも当てはまるのだという。鴻江が自身の考え方を一般化した書籍『一生歩ける喜び 「うで体・あし体」鴻江理論で人生が変わる』では、7つのチェックポイントを設けて自分がどちらのタイプかを見極めた上で、日常のさまざまなシーンをあげ、「何をすべきで、何をすべきでないか」をイラストを用いて平易に解説。また、タイプ別のおすすめストレッチを図解入りで詳細解説している。
トップアスリートの活躍を支える鴻江理論を実践すれば、「一生自分の足で歩く力」を手に入れることができるだろう。
取材・文/祓川学(ストライカープレス)
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