中国軍が「つり橋型道路橋」を備えた特殊用途船を建造、昨年末には電磁カタパルト式発射装置を装備した大型強襲揚陸艦が進水 台湾侵攻を見据えた準備が加速
NEWSポストセブン / 2025年1月26日 7時15分
中国軍が広東省広州市の造船施設で、戦車や兵士を乗せた軍用トラックなどを120メートルほどの「つり橋型道路橋」を使って上陸させることができる特殊用途船5隻を建造していることが明らかになった。主に海上から陸地への攻撃用で、中国軍の台湾侵攻用の特殊艦艇として開発したとみられる。
また昨年末には、上海の造船所で、無人攻撃機や戦闘機を搭載でき、電磁カタパルト式発射装置を備えた次世代型の大型強襲揚陸艦「076型」(4万トン)を進水させるなど、中国軍は台湾侵攻を見据えた準備を着々と整えているようだ。米CNNなどが報じた。
広州市で建造されているのは港湾などで大型船と陸地との間を往復して貨物や乗客を運ぶ「はしけ」状のものを備えた特殊用途船。船の先端に「つり橋」のような道路橋が装着されており、120メートルほどのつり橋上の道路橋が「桟橋」の役目を果たし、地上に接岸して、船上の戦車や兵士を乗せたトラックなどを上陸させることができる。悪天候などで海上が荒れていても対応できるという。
米軍の偵察衛星は、広東省の広州造船所で建造中の5隻の特殊用途船を捕らえている。すでに2022年には小型の特殊用途船が建造されていたが、大型化されたものの建造が始まったのは昨年半ばごろからだという。
この特殊用途船と同様、上陸用艦艇として建造されたのが次世代型強襲揚陸艦「076型」で、一番艦は「四川」と呼ばれている。特筆すべきは076型が採用する電磁カタパルトで、この種の艦艇に通常搭載されるヘリコプターや水陸両用車だけでなく、戦闘機を搭載することが可能になる。艦が大型化されたことで、艦載機もより多くの燃料や爆弾、ミサイルを積むことが可能になり、艦載機そのものの攻撃力も向上する。世界でも、電磁カタパルトシステムを採用している急襲揚陸艦は四川だけだとみられる。
北京で1月20日に行われた中国国防省の定例記者会見では、この四川について、「地域の軍事的均衡を崩し、不安定化要因をもたらすと指摘する外国メディアもあることについて、コメントは?」との質問が出た。これに対して、同省スポークスマンは「中国は平和的発展路線を終始堅持し、防御的国防政策を終始変わらず遂行している。076型強襲揚陸艦の進水は海軍装備の発展における通常の措置であり、いかなる特定の国、地域、目標も念頭に置いていない」と答えている。
外部リンク
- 中国で春節を前に地方出身の農民工の自殺が相次ぐ現状 不動産不況で建設会社などからの賃金未払い問題が深刻化、経済悪化の犠牲者に
- 中国で「軍に特別に卸している『戦友ボトル』のマオ台酒」「中国外務省が海外からの国賓に提供している極上ワイン」を謳った偽物出回る 死亡者も出て当局摘発
- 「香港市民の幸福指数」調査、7年連続で最低を記録 家族を支える35~44歳の市民に大きなストレスがかかっている現実
- 中国民主化活動家の草分け王炳章氏の釈放求め「フリーダムハウス」ら世界の人権団体がキャンペーン 広東省の刑務所の独房に22年間収監され生命の危機に
- 【写真】小島瑠璃子 友人が心配する「15cmのピンヒール」「体調不良」中国留学への不安
この記事に関連するニュース
-
北アフリカでも「ロシア離れ」か!? 艦艇の購入をキャンセル 代わりに選ばれたのはやはり中国製
乗りものニュース / 2025年1月21日 15時12分
-
「かが」に“カタパルト”が付く可能性!? 省スペースでも済む運用可能な無人機発射システム ついに発表される
乗りものニュース / 2025年1月20日 16時12分
-
台湾侵攻にうってつけのバージ(艀)建造が露見、「中国版ノルマンディー上陸作戦」か
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月20日 8時0分
-
中国海軍「異形の新型軍艦」は何者?強襲揚陸艦…のはずなのに“空母っぽい”装備? 考えられる理由とは
乗りものニュース / 2025年1月18日 6時12分
-
076型強襲揚陸艦「四川」がふ頭に停泊、ドック外調整段階に―中国
Record China / 2024年12月29日 23時0分
ランキング
-
1停戦1週間のガザ、散発的銃撃でなお犠牲者…北部への検問所に数万人「テント生活に疲れ果てた」
読売新聞 / 2025年1月27日 8時57分
-
2トランプ氏の初外遊先はサウジの可能性、米国製品の巨額購入が条件…通例通りなら英国
読売新聞 / 2025年1月26日 23時44分
-
3ベラルーシ大統領選、ルカシェンコ氏の7選が決定 欧米は批判
ロイター / 2025年1月27日 11時22分
-
4オーストラリアの砂浜に「謎の球体」が大量に流れ着く...人間の排泄物や細菌も検出、その正体とは?
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月26日 20時15分
-
5バルト海の海底通信ケーブル損傷…12月にもロシア「影の船団」関与が疑われる損傷事案
読売新聞 / 2025年1月27日 9時21分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください