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《長野駅前・3人連続殺傷》「警察? 呼べるもんなら呼んでみろ!」“水も電気も止まっていた”矢口雄資容疑者(46・無職)が正月に見せていた“奇行”

NEWSポストセブン / 2025年1月28日 16時28分

送検される矢口容疑者(時事通信フォト)

 JR長野駅前で男女3人が刃物で襲われ、1人が死亡、2人が重軽傷を負った事件。発生から5日が経った1月26日、長野市内に住む矢口雄資容疑者(46・無職)が逮捕された。警察の調べに対し本人は黙秘を続けているが、周辺を取材すると、容疑者の直近の“困窮状況”が見えてきた——。【前後編の前編】

「1月22日の夜、JR長野駅前のバス乗り場付近で、バスを待つなどしていた男女あわせて3人が、刺身包丁のような刃物で次々と刺された。40代の男性1人が死亡し、男女2人が重軽傷を負い、県警は防犯カメラなどのリレー捜査で犯人の特定を急いでいた。

 警察は通り魔的な犯行の可能性もあるとみて捜査を進めているが、容疑者は黙秘を続けている」(全国紙社会部記者)

 矢口容疑者の自宅は、現場となった駅から東に直線で3キロほどの場所にあった。単身向けの賃貸アパートに1人で暮らしていたようで、大家は「2020年に入居。問題行動などはありませんでした」としたが、近隣住民は矢口容疑者の“奇行”を目撃していたという。

「今年の1月2日、22時ごろ、矢口容疑者らしき人物がマンションのほうから歩きながら、誰かを大声で罵るような言葉を叫んでいたんです。ある人の家の前で『警察? 呼べるもんなら呼んでみろ!』というようなことを叫んでいました。案の定、警察がパトカーで駆けつけていましたが……。

 お正月の三が日で静まり返っていたので、その時は矢口容疑者の声が周囲に響きわたっていた。近所でも『矢口さんは怖いね』というくらいには噂になっていました」

 

 矢口容疑者の実家は、容疑者が住むアパートから約1キロほどの場所にある。長野市内で、80年以上続く老舗時計店を営んでいた。矢口家を知る人は、容疑者について「育ちのいい子だった」と口を揃える。実家の近隣住民が語る。

「容疑者が矢口って出ていたから、まさかって思ったけど……。お父さんは婿養子で、奥さんの両親が営んでいた時計店を受け継いだ。雄資くんの祖父は医者の息子って聞いたから、家柄はいいんだよ。お母さんがガンで亡くなってしまってからは、お父さんが一人で営んでいて、市内の実家からお店に通っていたね。今は電動車椅子に乗っていて、働くのも大変そうだけど。

 雄資くんが時計店に顔を出したところは、大人になってからはほとんど見ていない。一体何があったのか……困ったことがあれば、親を頼ることもできただろうにね……」

 捜査関係者によると、矢口容疑者は「生活保護を受給し、自宅では電気や水が使えない状態だった」という。ここまで追い詰められた背景には何があったのか——後編記事では、「明るくて優しいやつだった」という容疑者の学生時代と、困窮の引き金になった“借金地獄”疑惑について詳報する。

(後編につづく)

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