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2027年末で蛍光灯の製造終了…プロレスのデスマッチはどうなる? カリスマ・葛西純は「ベスト・オブ・ザ・ベストな凶器」

NEWSポストセブン / 2025年2月9日 11時15分

デスマッチ1試合で200~300本の蛍光灯を使用するという

 2023年にスイス・ジュネーブで開かれた「水銀に関する水俣条約 第5回締約国会議」で、微量といえど水銀が含まれているとして、2027年末で全ての蛍光灯の製造・輸出入を禁止することが決定した(2028年以降も製品の継続利用や在庫品の販売は可能)。

 LED照明が主流となった今、このニュースを気に留めている人は少ないかもしれない。しかし蛍光灯の製造終了によって大打撃を受けることが予想される業界も存在する。プロレスのデスマッチだ。

 デスマッチにおいて、蛍光灯は最もメジャーな凶器のひとつ。対戦相手を殴りつけるのはもちろん、試合終盤、ふらふらになった自分自身の頭を殴って“気つけ”に使うこともある。割れた蛍光灯の破片はリングの外にまで飛び散り、客席からは悲鳴が上がるが、それこそが蛍光灯デスマッチの醍醐味なのだろう。プロレスファンの30代女性が熱弁する。

「破片が刺さってケガをしたことはありませんし、周りでもそんなトラブルは聞いたことがありません。でもやっぱり自分のほうに破片が飛んでくるとギョッとします。カミソリや有刺鉄線、画鋲などもよく凶器に使われますが、蛍光灯には、観客もスリルを体感できるアトラクション的な魅力があると思います」

“デスマッチのカリスマ”は何を思う

 多くのプロレスファンが、蛍光灯の製造終了を嘆いている。

「蛍光灯デスマッチはいずれ消えゆく文化なのでしょうか……。蛍光灯に比べて、LED照明は割れにくいので、デスマッチ的な“映え”には向かないと聞きます。SNS上でも、プロレスファンたちが〈蛍光灯デスマッチはどうなるんだ〉と戦々恐々としています」(前出・プロレスファン)

 この状況を選手自身はどのように受け止めているのか。「プロレスリングFREEDOMS」所属の現役プロレスラーである葛西純(50)に取材した。葛西選手は、“デスマッチのカリスマ”として国内外で熱狂的に支持され、2021年にはドキュメンタリー映画『狂猿』も公開された。

 蛍光灯は、凶器として“ベスト・オブ・ザ・ベスト”だという。

「破片が飛び煙がモワッとただよって、視覚的に派手。音も出るし、皮膚が切れて流血も起きる。まさにベスト・オブ・ザ・ベストなデスマッチアイテムですね。蛍光灯を超えるようなアイテムはもう出てこないんじゃないかな。

 しいて言えば、ガラスボード(ガラス板)は代用に使えるのかもしれないけど、蛍光灯に比べたらコストもかかるし、使い方も限られるし……」(葛西選手、以下同)

 葛西選手によると、デスマッチ1試合でだいたい200~300本の蛍光灯を使用するという。不要になった蛍光灯を譲ってもらって調達しているが、LED化が進んでいるのだろうか。「昔に比べたら、若干手に入りにくくなった気はします」と語った。

 蛍光灯の「製造終了」を受けて、プロレスファンが嘆く一方で、選手たちはそれほど悲観していないようだ。

「お客さんは不安がっていますが、自分たちプロレスラーは、あまり慌てていませんね。たしかに蛍光灯は一番優れたデスマッチアイテムですが、『蛍光灯がないならないで、ほかのものを使えばいいか』と軽い感じでいます」

 たとえ蛍光灯が使えなくなっても、必ずおもしろい試合を見せる──。デスマッチ界の生ける伝説の言葉からは、そのような自信が伝わってきた。

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