16人に1人発症のうつ「焦らず治療続けて社会復帰を」と識者

NEWSポストセブン / 2013年8月9日 7時0分

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「焦らず適切な治療を続け、社会復帰を」と語る上島教授

「新型うつ」といったキーワードが出てくるなど、うつ病は社会問題のひとつとなっている。日本うつ病学会では「適切な診断が必要」としながらも、話題となっている通称「新型うつ病」に対しては「医学的知見の明確な裏打ちはない」という見解を示した。

 厚生労働省の調査によると、平成23年のうつ病などの「気分障害」患者数は、95.8万人に。また国民の約16人に1人は、生涯に一度はうつ病を発症する可能性があり、さらに、この1年のうちに50人に1人がうつ病にかかったという研究報告書もある。厚生労働省では、うつ病を極めて重要な健康問題として捉え、うつ病治療の研究や患者への社会的支援を積極的に進めている。

 それでは、そもそもうつ病とはどんな病気か、自分や身近な人にうつ病の可能性があったらどうするべきか。国際医療福祉大学・医療福祉学部の上島国利教授に聞いた。

 まずうつ病には、「気分が落ち込む」「意欲がわかない」など、“心”に表れる症状と、「疲れやすい」「眠れない」など、“身体”に表れる症状があるという。
「落ち込んだり、憂鬱な気分に陥ったりすることは誰にでもあります。ですが、うつ病の場合、落ち込んだ原因が解決しても、気分が回復しません。そのため、仕事や社会生活に支障をきたしてしまいます」(上島教授)

 うつ病になりやすいのは、よくいわれるように真面目で几帳面、完璧主義な人。
「そういう人が病気やケガをしたり、失業や子供の独立など、失うことのむなしさを感じたり、身近な人との別離や失恋を経験したりすると、うつ病を生じることが多いと言われます。また、結婚や出産、昇進など、嬉しいはずのライフイベントであっても、環境の変化がプレッシャーとなり、うつ病になることもあります」(上島教授)

■うつ病に対する治療法

 現在のうつ病治療は、「休養・環境調整」のほか、抗うつ薬などによる「薬物療法」、カウンセリングなどの「精神療法」の3つが中心となっている。なかでも、うつ病治療の基本となるのが、薬物療法だ。

「薬物療法では、最短で6か月ほどは抗うつ薬を服用するのが平均的なスケジュールです。ところが、今までの薬では、効果が出るのに2~4週間かかるものが多かったことから、処方された薬に対して『効果が出ない』と不満をもつ患者さんも多かったのです。また、抗うつ薬を使っても、3人に1人は症状を改善できないというのも実情です」(上島教授)

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